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呼吸器|慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患の基礎知識

慢性的な咳や痰、それ“たばこ病”かも? 慢性閉塞性肺疾患について

2022年4月22日|45 VIEW

「近ごろ咳や痰が続いている」「なんだか息切れがする」そんなお悩みはありませんか?
その慢性的な症状、もしかしたら「慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)」かもしれません。今回は肺の生活習慣病としても知られる慢性閉塞性肺疾患の原因や症状を交えながら、身近に潜む肺や気管支などのトラブルを悪化させないようなポイントをご紹介します

慢性閉塞性肺疾患とは? 

慢性閉塞性肺疾患とは、いわゆる肺の生活習慣病のことです。気管支が炎症を起こした状態が長く続く「慢性気管支炎」や、肺胞が破壊されて肺機能が低下する「肺気腫」などもこの疾患に含まれます。また慢性閉塞性肺疾患の内、90%以上が喫煙者なので、別名「たばこ病」とも呼ばれています。

このほか英語の病名である「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の頭文字をとって「COPD」と表記されることもあります。

症状の特徴は慢性的な咳や痰と

慢性閉塞性肺疾患になると、咳や痰が長く続くほか、ちょっとした運動で息切れをするようになります。初期症状は風邪と似ているため、勘違いする人も少なくありません。症状が進行すると気管支が慢性的に炎症を起こし、常に気道の狭い状態に。その結果、空気の流れが悪くなり、取り込める酸素量が少なくなってしまいます。

また有害物質が肺胞に及んで炎症を起こすと、肺胞の壁が壊れてしまうので空気を吐き出すことが困難に。病状の度合いによっては日常生活が難しくなり、症状末期では命の危険を及ぼすこともあります。

■主な症状 ・慢性的な咳
・慢性的な痰
・階段の上り下りなどちょっとした運動で息切れする
・呼吸をすると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする

慢性閉塞性肺疾患の原因のほとんどが「たばこの煙」

一般的に呼吸器における病気の多くが肺炎などといった感染によるものです。しかし慢性閉塞性肺疾患では、原因のほとんどが「たばこの煙」。喫煙者だけでなく副流煙による受動喫煙でも、慢性閉塞性肺疾患になる恐れがあります。

このほかケースとしては少ないものの、粉塵・大気汚染などが原因で慢性閉塞性肺疾患になる場合もあります。

慢性閉塞性肺疾患の予防と治療法は生活習慣の見直し

一度、壊れてしまった肺胞や、ダメージを受けた気管支は治癒することはできません。そのため完全に健康な状態に戻すのではなく、これ以上悪化しないようにしたり、症状を和らげたりする治療が行われます。

禁煙

慢性閉塞性肺疾患の予防、改善において最も重要だとされているのが「禁煙」とされ、根本的な危険因子を取り除きます。
発症リスクは喫煙年数に比例して高くなることが分かっているので、早く禁煙すればするほど効果は大きくなります。また高齢になってからの禁煙でも慢性閉塞性肺疾患のリスクが大きく軽減することも分かっています。すでに長期的に喫煙している人でも、禁煙を始めるのはいつからでも遅くはありません。

もしも一人ではなかなかやめられないという場合は、医師を頼るのも方法の一つです。自分に合った治療で、まずは減煙することから始めてみましょう。

薬物療法

吸入、投薬、貼り薬などで症状の緩和させる治療法です。呼吸が困難になっている場合などで適応されます。

呼吸リハビリテーション

肺機能の低下によって運動ができなくなったり日常生活能力が落ちてしまったりした場合に行われます。息切れなどの改善に役立ちます。

慢性閉塞性肺疾患の恐ろしいところは、長年の喫煙により少しずつ病気が進行していくため、中年を過ぎてから症状に気がつくこと。心当たりのある症状があったら、まずは近くの病院で検査・診断を受けてみるとよいでしょう。


参考文献・出典など
■全国健康保険協会【呼吸器の病気】 肺の生活習慣病といわれる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」
■環境再生保全機構慢性閉塞性肺疾患(COPD)基礎知識
■東京都「とうきょう健康ステーション」COPDセルフチェック

画像提供:PIXTA

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