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細菌が存在しない臓器に侵入し、重篤な症状を引き起こす
私たちが普段耳にする溶連菌感染症は、大抵の場合子どもが発熱や咽頭炎、皮膚の発疹を伴う軽度のものです。これらは比較的容易に治療が可能で、数日で回復することが多いです。
しかし、劇症型溶連菌はこれとは異なり、筋肉や血液、肺といった通常は細菌が存在しない臓器に侵入し、重篤な症状を引き起こします。
30歳以上の患者さんが多く、多臓器不全や壊死性筋膜炎、さらには生命を脅かすショック症状を招くこともあります。
このため、溶連菌は「人食いバクテリア」とも呼ばれています。
風邪と似ている初期症状
劇症型溶連菌の初期症状は、一見すると普通の風邪と似ており、咽頭痛や発熱、全身の倦怠感が主なものです。
しかし、急に消化器症状へと進み、食欲不振、吐き気、下痢などが現れることがあります。更に進行すると低血圧や筋肉痛が加わり、これが敗血症の警告信号となり得ます。
これらの症状は特に、病院での診断が困難なほど急激に進行することがあり、早期の識別と迅速な対応が求められます。
早期発見と適切な対応
この感染症の恐ろしい点は、一度重篤な症状が現れると、急速に体の局所が腫れ上がり、赤くなり、痛みを伴うことです。
これが壊死へと進行し、最終的には多臓器不全やショック症状を引き起こします。
そのため、最初の症状が現れた際には、すぐに医療機関での診断を受けることが極めて重要です。
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劇症型溶連菌は、一般に知られている感染症とは一線を画します。初期症状が風邪に似ているため見過ごされがちですが、私たち一人ひとりがこの感染症について正しく理解し、不審な症状を感じたら迅速に行動することが、命を守るための第一歩となります。
次回は「劇症型溶連菌になりやすい人」や「感染経路と対策」について説明します。
※参考サイト
■NHK「危険な感染症「劇症型溶連菌」 命を守るためには?」
■名古屋市「1類から5類感染症(全数把握)の発生状況」
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