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今朝のLINKED通信

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高齢者の骨折リスクと骨卒中の関連性。

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前回は、高齢者の注意すべき四大骨折について解説しました。
今回は骨折がなぜ命に関わる可能性があるのかお伝えします。

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骨卒中とはどんな状態なのか。

そもそも「卒中」とは急に倒れて場合によっては死に至る状態を意味しています。

高齢者が骨粗しょう症から骨折を繰り返すと、徐々に要介護状態や寝たきりがすすみ、健康寿命も短くなります。

骨卒中(こつそっちゅう)とは、とくに太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)や背骨を骨折することで、死亡率が大幅に上がり、脳卒中と同じように命に関わることを指します。

大腿骨や脊椎の骨折は寝たきりになる可能性が。

骨折が命に影響を及ぼす一例として、大腿骨近位部骨折の患者の5年後の生存率は40%程度ですが、そうではない一般人は60%強になるという調査結果が報告されています。

その理由は、大腿骨や脊椎の骨折は日常生活、特に歩行に大きな影響を及ぼすだけでなく、寝たきりになる可能性が高まるからです。

このことにより肺炎を起こしやすくなったり、活動量の低下による虚弱化を引き起こし寿命にも影響してしまいます。

また、2021年版の内閣府「高齢社会白書」によれば、骨折・転倒は65歳以上の人が介護が必要になる原因の中で4番目に多いとされています。

特に女性では認知症に次ぎ2番目に多い原因とされており、転倒による死亡の9割以上が65歳以上であるという統計も示されています。

このような状況に対して、骨折の連鎖から高齢者を守る取り組みとして近年注目されているのが「FLS(骨折リエゾンサービス」です。

骨折の連鎖を断ち切るために。

リエゾンとは、「橋渡し」のこと。医療機関のさまざまな医療スタッフがチームとなって患者をサポートしていくことを意味しています。

脆弱性骨折の高齢者は骨粗しょう症を発症している場合が多く、骨がもろくなっているため、退院しても骨折を繰り返す傾向があります。

このような骨折の連鎖を防ぐために、最初の骨折の治療後から骨粗しょう症を改善するため、医師や看護師だけではなく管理栄養士や理学療法士などが連携をして食事療法や運動療法をはじめていきます。

詳しくはこちら→骨折の連鎖から高齢者を守るために。

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今回は、骨折が命に関わる可能性がある骨卒中について解説しました。
さぁ、皆さんも転倒や骨折を防ぐために、日常生活から見直していきましょう。

※参考サイト
■朝日新聞Reライフ.net「65歳以上の日常生活での事故による救急搬送、8割が転倒 骨折は寿命を左右します
■日本骨粗鬆症学会「日本版 二次骨折予防のための骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード

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