中日新聞LINKED〈発〉

第2回 コロナ禍の最中でも受診すべき、ほかの病気。

息切れ・むくみ(心不全)

2020.05.15282 views

コロナ禍の最中だからこそ、知っておきたい健康の基本情報をお届けします。

第2回は、心臓の機能が悪くなっていく「心不全」です。
※『第1回 コロナ禍の最中でも受診すべき、ほかの病気。胸の痛み(心筋梗塞)』はこちら

心不全は進行すると命に関わります。息切れ・むくみの自覚症状があれば、様子を見ることなく、かかりつけ医に相談しましょう。

こんな体調変化があれば、心不全かも…。

シグナル1 体重が増える

心臓の機能が悪くなると、体に水がたまるため、体重が増えます。「何も症状はないけれど、体重が増えてきた」というときは要注意です。

シグナル2 息切れがする

心臓の機能が悪くなると、血液が肺にたまるため、体を動かすと息切れが起こります。

シグナル3 足がむくむ

心臓の機能が悪くなると、心臓に戻る血液が全身にとどまるため、足の甲やくるぶしの周り、足のすねなどにむくみが生じます。

シグナル4 息苦しさが悪化

心不全が進行すると、安静にしていても息が苦しくなります。また、横になっていると息苦しくなり、上半身を起こすと呼吸が楽になることもあります。こういう症状が出たら、即座に病院を受診しましょう。

心不全は、心臓のポンプ機能の低下。

心臓は収縮と拡張を繰り返し、血管というチューブを通して血液を全身に送るポンプの働きをしています。心不全はそのポンプ機能が低下し、心臓がだんだん悪くなっている状態です。
心臓のポンプの働きが弱まると、全身の血液の流れが滞り、肺などに血液がたまります。そうなると、心臓が無理をして働こうとして、心臓への負担が大きくなり、さらに心不全が悪化していきます。

心不全の主な検査は?

心不全の原因の多くは、さまざまな心臓の病気(狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症、不整脈など)です。
ただし最近は、心臓病を持っていないのに、心不全を発症するケースも増えています。
心不全の検査では、心不全を見つけると同時に、もともとの原因となっている心臓病も調べます。
主な検査をご紹介します。

血液検査
心臓を守るために分泌されるホルモン「BNP」の値を調べ、心臓への負担の大きさを調べます。
心電図検査
心臓に異常がないか、心筋の虚血(狭心症や心筋梗塞)や不整脈がないかを調べます。
胸部X線検査
心臓の大きさや形を確認し、肺に水がたまっているかどうか見ます。
心臓超音波検査(心エコー)
心臓の大きさ、形、心臓の壁の厚さ、動き方などを調べ、心不全の原因となっている病気も調べます。
心臓カテーテル検査
心臓の機能を評価し、心臓の血管に狭いところがないか確認します。

心不全の治療法は薬物療法と手術療法。

心不全の治療は、もともとの原因となっている心臓病の治療が基本です。
その上で、心不全のタイプや進行の程度によって、さまざまな治療を行います。
治療の目的は、心不全の進行を防ぎ、命を守ることです。

〈主な薬物療法〉
心臓を保護する薬、むくみなどの症状を抑える薬を服用します。

〈主な手術療法〉
心臓再同期療法(CRT)
薬の治療では改善しない重症心不全に対する、特殊なペースメーカー治療です。ペースメーカー(心臓に刺激を与える機械)を埋え込み、心臓の左右の心室にほぼ同時に電気信号を与えることで、心室が収縮するタイミングのずれを調整し、ポンプ機能の改善を図ります。

植え込み型除細動器(ICD)
ペースメーカーと同じように、徐細動器を体内に植え込む治療法です。植え込み徐細動器は常に心拍数を監視します。そして、心拍数が設定基準を上回り、命に関わる不整脈が発生した場合、速やかに作動し、心臓の働きを正常に戻します。

補助人工心臓
重症心不全の心臓を助けて、補助人工心臓で血液を全身に送り出す治療です。補助人工心臓には、本体を外に置く体外設置型と、体内に植え込む植え込み型があります。このほか、心臓移植も検討されます。

 

急増する高齢者の心不全。日頃から予防策を。

高齢化が進む日本では、心不全の高齢患者が増えています。心臓の健康を保つために、日頃から健康管理に注意したいものです。
まず、何らかの心臓病を持つ人は、その治療をしっかり行い、心不全の発症を抑えることが必要です。
また、過去に心筋梗塞などの心臓病を患った人は、定期的に心臓の検査をして、心不全を発症していないか観察していくことが重要です。
また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病も、心不全の発症につながります。減塩、肥満解消、禁煙、節酒を心がけ、適度な運動に取り組みましょう。

画像提供:PIXTA

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