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双胎間輸血症候群|女性

双胎間輸血症候群の基礎知識

双子の妊娠の際に知っておきたい「双胎間輸血症候群」

2022年3月28日|265 VIEW

双胎妊娠(※双子の妊娠)の際に発症する可能性のある疾患です。胎児の死亡リスクが高いので、早期発見が大切です。

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一つの胎盤で育つ双子に発症の可能性

双胎妊娠には一卵性双胎と二卵性双胎があります。一卵性双胎は受精卵が分かれる時期によって、さらに二絨毛膜性双胎と一絨毛膜性双胎の二つに大別されます。この二つは絨毛膜(胎盤)が二つあるか一つあるかの違いによります。二絨毛膜性双胎は二児がそれぞれ胎盤を持っていますが、一絨毛膜性双胎は、二児が一つの胎盤を共有している状態で、胎児は吻合血管でつながっています。

胎児の血液は心臓から出た後にへその緒を通じて胎盤に送られ、胎盤で母体の血液から酸素や栄養素を受け取り、再び胎児の体に戻ります。しかし、一絨毛膜性双胎の場合、へその緒のほかに吻合血管(※二児を結ぶ血管)が存在し、一方の胎児から送られた血液がもう一方の胎児に送られることがあります。

正常な状態なら血液はバランスよく供給されます。しかし、双胎間輸血症候群は、吻合血管のバランスが崩れて、血流量の不均衡が生じた際に発症します。双胎間輸血症候群は一絨毛膜性双胎の約10%に起きる病気と言われています。

血流のバランスが崩れるとどうなるか

血流量のバランスが崩れると、一方が受血児(レシピエント)となり、他方が供血児(ドナー)となります。
受血児は循環血液量が増加し、高血圧、多尿、羊水過多となり、心不全や胎児機能不全、進行すると胎児水腫などの合併症を発症し、最終的に死亡に至るリスクが高くなります。

供血児はその逆で循環血液量が減少し、低血圧、腎不全、乏尿、羊水過少となり、腎不全や胎児発育不全、胎児機能不全などの合併症が見られ、こちらも死亡リスクが上昇します。胎内での発育不全のため、出産後に脳神経に関わる障害を残す可能性も高く、いずれにせよ治療を行わないと胎児の死亡率が極めて高い疾患で、無治療の場合の死亡率は80%以上と言われています。

母体にはどのような自覚症状があるのか

発症した場合、短期間で受血児の羊水過多が進むことで、急激に子宮が大きくなります。そのため、予定よりも早く陣痛が引き起こされて流産や早産に至ることがあります。その他にも母体の腹囲が急に大きくなり、下腹部に強い張りが現れることがあります。
ただし異変に気づくのが難しいケースもあるので、定期的な妊婦健診はきちんと受診するようにしましょう。
双胎間輸血症候群は超音波検査で羊水の深さを測り、次の2つの状態が同時に見られた場合に診断されます。

● 受血児(循環血液量が多い)の羊水の深さ:8cm以上
● 供血児(循環血液量が少ない)の羊水の深さ:2cm以下

また、双胎間輸血症候群と診断されたとしても、医学の進歩により双子の赤ちゃんが無事に生まれたケースも少なくありませんので、体の違和感を感じたり先述した症状がある場合は次の妊婦健診を待たずに早期に受診するようにしましょう。

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