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羊水過少症|女性

羊水過少症の基礎知識

赤ちゃんの成長に大切な羊水が減少する「羊水過少症」

2022年3月28日|3,415 VIEW

羊水過少症はお腹の中の赤ちゃんの成長に欠かせない「羊水」が少なくなっている状態。
自覚症状が少ないため注意しなければならない病気です。

赤ちゃんの成長に大切な羊水が減少する羊水過少症

羊水過少症とは、子宮内の羊水が少なくなっている状態です。羊水の量は妊娠週数によって変化していきますが、妊娠週数ごとの羊水の量の適正値より羊水が少ないと「羊水過少症」と診断されます。一般的に、超音波検査で羊水腔が少なくなると羊水過少症と診断されます。

羊水は、子宮の中の赤ちゃんを取り囲む液体で、中期以降は赤ちゃんの尿が主成分になります。 羊水は、赤ちゃんの成長にとても重要なものなのです。
例えば、
・子宮外からの衝撃をやわらげ、赤ちゃんを守ってくれる。
・子宮内の赤ちゃんが動きやすくなり、筋肉や骨の発達を促す。
・羊水を飲むことで呼吸の練習をする。
といったように、赤ちゃんの成長にとって欠かせないものが「羊水」なのです。

もうお分かりかと思いますが、羊水が少なくなっているということは赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼしたり、場合によっては赤ちゃんに障害が残ってしまったり、赤ちゃんの命にかかわることもあります。
容態によっては入院の必要性もある病気なので、この記事を読んで万が一の場合に備えましょう。

羊水過少症の原因のほとんどは前期破水や赤ちゃんの排尿問題

羊水過少症の原因は大きく分けると、下記の通りです。
①お母さん側の原因
②赤ちゃん側の原因
③服用しているお薬の原因
④上記以外の原因または原因不明

では、①~④について、もう少し細かく説明していきます。

①お母さん側の原因

・胎盤機能の低下
妊娠高血圧症候群、抗リン脂質抗体症候群などにより、胎盤機能が低下し赤ちゃんが十分な栄養を得られず発育不全となり、羊水の主成分である尿の生産量が減少するおそれがあります。

・前期破水
陣痛が来る前に破水してしまうことで、子宮内の羊水が漏れ出てしまいます。羊水過少症の原因の3割〜5割が前期破水が原因と言われています。

②赤ちゃん側の原因

・腎無形性/腎異形成(腎臓の形成ができていないこと/腎臓の形成に異常があること)
赤ちゃんの腎臓に異常があると尿の生産ができなかったり、尿量が減少するおそれがあります。

・閉鎖性尿路障害
赤ちゃんの尿路が塞がってしまい、尿を外に出せなくなってしまいます。

・胎児死亡
赤ちゃんが子宮内で死亡してしまうことで、尿の生産が行われなくなります。

③服用しているお薬の原因

・解熱剤・鎮痛剤・ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬など
これらを服用することで、赤ちゃんの尿量が減少するおそれがあります。

④上記以外の問題または原因不明

①~③以外の原因であったり、検査しても原因がわからない場合もあります。

自覚症状の少ない羊水過少症。気づくためには定期的な妊婦健診が大切

次のような症状が見られたら羊水過少症の疑いがあります。
・胎動が少ない
・お腹が大きくならない
・腟から出血がある
・腟から羊水が出る

ただし、羊水過少症はお母さんの身体に目立った症状はでない場合も多いため、自身では気づきにくい病気です。ほとんどの患者さんは、妊婦健診時に羊水過少症だと発覚します。そのため、定期的な妊婦健診がとても大切なのです。

お母さん自身の体調管理と定期的な妊婦検診が羊水過少症の予防に繋がる

羊水過少症には確立された予防法はありません。
羊水過少症になるリスクを減らすためにお母さんにできることは「お母さん自身の体調管理」や「定期的に妊婦健診を受けること」です。 バランスのいい食事を心がけたり、適度な運動、飲酒・喫煙をしないことを日頃から気にかけるようにしましょう。
そして、少しでもおかしいと思うことがあれば、迷わずお医者さんに相談しましょう。

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