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子供|川崎病

川崎病の基礎知識

発熱や発疹など急な全身症状、もしかしたら「川崎病」かも?

2022年3月4日|464 VIEW

川崎病は全身の血管に炎症が起きて発熱や目の充血などを発症する病気です。4歳以下の発症が多く、合併症を起こしやすいことでも知られています。原因がはっきりわかっていないため、治療方法も患者の状態によって様々。今回は川崎病の基礎知識や、症状や治療方法などを紹介します。

川崎病って何?

川崎病は、もともと「皮膚粘膜リンパ節症候群」という名前で発表された病気で、発表者が川崎富作博士ということから世界的に川崎病と呼ばれるようになりました。日本では年間15,000人ほどの子どもたちが発症している病気で、原因がわかっていないながらも、人から人に移る病気だとは考えられていません。

発症すると、心臓の超音波検査が可能な病院に入院するケースがほとんど。退院後も経過観察のために定期的な検査が必要です。

川崎病の特徴的な症状

川崎病の経過については、主要症状が全身に現れる「急性期」、症状が落ち着いて手や足の指先の皮膚がめくれてくる「回復期」、その後の「遠隔期」の3段階に分けられます。

急性期は発病から10日間ほどで6つの主要症状が全身に見られます。この時期にできるだけ早く全身の炎症を抑える治療をすることで、合併症のリスクなどを軽減することが可能。疑わしい症状があったら、すぐに医師に相談しましょう。

急性期の主な症状

・発熱
5日以上、38度以上 の熱が続きます。一般的に7~10日続くものの、早期発見で治療を開始した場合は早めに熱が下がることがほとんどです。

・眼球結膜充血
両目の白い部分が充血します。

・唇の紅潮といちご舌
唇が乾燥して真っ赤になったり、舌がいちごのように赤くなり表面にブツブツが出現したりします。また口の中全体が普段よりも真っ赤で、できものが見られる場合も。口の中が痛いと訴える子供もいます。

・体中に発疹
体全体に大小さまざまな赤い発疹が現れます。また、BCGを接種した部位が赤くなるケースも多く見られます。

・手や足の先が赤く腫れる
手に、押しても痕が残らないむくみが見られます(硬性浮腫)。また、手のひらや足の裏、指先などの皮膚が赤くなります。熱が下がる回復期になると、手足の指先の皮膚がむけるのも特徴です。

・首のリンパ節の膨張
首のリンパ節が腫れます。首以外にも、わきの下や股の付け根、耳の後ろが腫れたり、しこりが現れたりするケースが確認されています。

もっとも注意が必要なのは合併症

川崎病で一番心配されるのが、心臓に栄養を送る冠動脈の血管に炎症ができ、さらにこぶができる「冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)」の併発です。冠動脈瘤になると、血管が狭くなったり、血栓ができて血管がつまったりして、狭心症や心筋梗塞など命にかかわる重大な病気を引き起こすリスクがあります。

川崎病は、急性期にいかに早く治療を始めるかが重要。できるだけ早く熱を下げて血管の炎症を抑えることで、冠動脈瘤を防ぎます。

具体的な治療方法

・アスピリン療法
血液を固まりにくくして血栓を予防したり、血管の炎症を抑えたりする効果があるアスピリンを内服します。症状が軽い患者さんの場合、アスピリンだけで良くなることもあります。

・免疫グロブリン療法(ガンマグロブリン療法)
炎症を抑える、毒素を中和する、リンパ球や血小板の働きを抑えるなどの作用が期待できる血液製剤の免疫グロブリンを点滴で投与します。アスピリン単独よりも、免疫グロブリンとの併用で冠動脈瘤の発症リスクが大幅に減少します。

多くの場合、治療開始から2日以内に熱が下がり始め、全身の炎症値(CRP)も低下します。ただ、効果がない患者も10%程度いるなど万能の治療法ではありません。また、投与から1時間以内に発熱や発疹、かゆみ、吐き気、肝機能障害、アナフィラキシーショックといった副反応が現れるケースもあります。

川崎病は原因がわかっていないため予防が難しいものの、早期発見と早期治療で重症化を防ぐことができます。熱が続いている、口の中を痛がる、手足が腫れているなど、お子さんの様子がいつもと違うことに気づいたら、すぐに病院を受診しましょう。


参考文献・出典など
■国立研究開発法人国立成育医療研究センター川崎病
■DoctorsFile「川崎病」
ユビーAI受診相談
KIDSNA
■国立循環器病研究センター川崎病の診断と治療法

画像提供:PIXTA

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