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血圧と血管|アテローム血栓症

アテローム血栓症の基礎知識

血栓ができて血流が堰き止められてしまうアテローム血栓症

2022年3月20日|362 VIEW

動脈硬化が進行すると、動脈硬化巣が破綻し、そこに血栓が形成されることがあります。 特に心臓や脳でこの血栓が形成されることが多く、合わせてアテローム血栓症と呼ばれています。
今回は「アテローム血栓症」について解説していきます。

アテローム血栓症の特徴的な症状は?

「アテローム」というのはいわゆる粉瘤のことで、本来剥がれるべき角質や皮脂が皮膚内部にたまってしまうものをいいます。 通常の皮膚だけでなく冠動脈・頸動脈・脳動脈・大動脈・四肢の主要動脈などにこれが起こります。
脳に起こるとやがて「アテローム血栓性脳梗塞」、心臓に起こるとやがて「心筋梗塞」に発展する恐れがあり、それぞれに別の症状があります。

脳のアテローム血栓症 アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞は、力が入りにくい・体の半分が動かしにくい・手足がしびれる・呂律が回りにくくなるなどの症状が現れます。
また脳梗塞を発症する前に一過性脳虚血発作を示す方もおり、これは一時的な手足の痺れや麻痺・言葉が出てこなくなったり目の前が真っ暗になるような症状が現れます。

心臓のアテローム血栓症 心筋梗塞

心筋梗塞の多くは「急性心筋梗塞」と呼ばれ、突然現れるものがほとんどです。
胸部やみぞおちに締め付けられるような痛み・おしつぶされるような痛みを感じがあります。 心臓でできた血栓が流れ、脳血管に引っかかることで脳梗塞を起こすことがあり、これを心原性脳梗塞といいます。
一見、心臓の血栓が都合よく脳血管に詰まるものか?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、脳梗塞全体の約30%はこの脳梗塞によるものであると言われています。

その他の大動脈のアテローム血栓症

脳や心臓だけでなく、主要な動脈のいずれにもアテローム血栓が生じる可能性があります。
下肢では足の冷感や黒ずみが生じる下肢急性動脈血栓症、腸では激しい腹痛に見舞われる上腸管膜動脈血栓症が発生することがあります。

アテローム血栓症を引き起こす原因とは?

アテローム血栓症は動脈硬化の延長ですから、動脈硬化が主な原因と言えるでしょう。 そのほかに、脳梗塞は夏に多いことが広く知られていて、気温の上昇に伴い汗を多くかくと血中の水分量が減ります。
結果的に、血液がドロドロの状態になるため血栓ができやすいといわれています。

アテローム血栓症予防・早期発見のために、おさえておくべきポイント

アテローム血栓症の原因、動脈硬化は生活習慣病がさらに原因となっていることが知られています。
脳梗塞や心筋梗塞・動脈硬化を予防するために、危険因子と呼ばれる要素を取り除くことを意識すると良いでしょう。

高血圧

血圧が高ければ高いほど脳梗塞のリスクが高く、脳梗塞における最大の危険因子と言えるます。
75歳未満は130/80mmHg、75歳以上では140/90mmHgが基準値とされており、高血圧の改善には全身を使う有酸素運動や普段からの散歩やストレッチを行うことをお勧めします。

糖尿病

糖尿病は、動脈硬化を引き起こすだけでなく網膜や腎臓・神経にも合併症を引き起こすことがあるため、できるだけ進行を抑えておきたい病気です。
糖尿病は糖質制限や体重管理である程度コントロールできることが知られています。

脂質異常症

脂質異常症は慢性的なカロリー過多とも言えます。
近年では動物性の油を摂取する機会が増えたことが原因になるため、肉類を多く摂取する方は少し控えめにすることをおすすめします。

心房細動

心房細動は、いわゆる不整脈の一種です。
心臓が痙攣したように震えてしまい、結果として血液を全身に供給できなくなってしまう状態です。
肥満・喫煙・飲酒が原因となるので、体重コントロール・禁煙・禁酒を心がける必要があります。


参考文献・出典など
■日本病理学会アテローム血栓症の成り立ちと予防・治療へのアプローチ
■大塚製薬脳梗塞の種類
■日本皮膚科学会アテロームとはどんなものですか?
■MSDマニュアルアテローム性動脈硬化
■聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センター 脳梗塞
■日本脳卒中学会脳卒中治療ガイドライン2015 追補2019

画像提供:PIXTA

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