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病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ

更衣 I 医療職監修のポイントとセルフチェック

2026年8月9日|5 VIEW

更衣は、「着替える」ということで、体を清潔に保ち生活リズムを整える重要な動作です。
上半身・下半身それぞれの更衣について採点を行い、介助が必要かどうかを判断します。
今回は、更衣 について、医療スタッフが更衣 のポイントをお伝えします。

1.どういった人に更衣の介助が必要になるか

更衣とは、服を脱いだり着たりすることです。 日常で重要な動作をまとめてADL(日常生活動作)といいますが、この更衣もADLに含まれています。
このADLでどの程度介助を行う必要があるかという点において、FIM(機能的自立度評価法)という評価方法があります。
更衣に関しては、衣類を脱ぐ・着ることができるかどうかを評価し、7点が完全自立、1点が全介助とされています。
この項では、どの程度の能力であれば介助が必要なく、どこから介助が必要であるかを詳しく解説いたします。
・完全自立(7点)
この段階では、介助は必要ありません。
衣服をかぶる、両腕を服に通す、かぶった衣服を引き下ろして着ることができる
また、ボタンをかけたり、ジッパーをしめることもできる場合は完全自立と考えて良いでしょう。
・修正自立(6点)
この段階では、基本的に介助が不要ですが、少し時間を要し安全面で配慮が必要な場合があります。
自助具という、更衣の補助をする器具を用いたり、通常の2〜3倍程度で着替えができる場合、該当します。
・監視・準備(5点)
この段階では、基本的に介助が不要ですが、介助者による監視や・指示・準備・促しが必要になります。
自分で衣類を出したり、片付けたりすることは難しいと感じるようになりますが、きちんと着れていない部分の声かけがあれば問題なく着脱ができる場合、該当します。
・最小介助(4点)
この段階から、少しずつ介助が必要になります。
具体的には75%を自分で行うことができる状態で、例えばボタンをしめるには介助が必要だが、それ以外は自分でできる場合、該当します。
・中等度介助(3点)
この段階では、50%程度は自分で行うことができる状態で、両腕を服に通すのに介助が必要だったり、逆に腕は通せるが服をかぶったり引き下ろしたりすることが難しい場合、該当します。
・最大介助(2点)
この段階では、25%程度は自分で行うことができる状態で、服を引き下ろすことはできるが、かぶったり腕を通したりすることが難しい場合、該当します。
・全介助(1点)
この段階では、全ての動作で介助が必要になります。

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2.更衣は、健康に生活するために重要な動作です

1日の中で、私たちは朝起きて私服に着替え、寝る前にパジャマに着替えるなどの更衣をしています。
高齢になり体を動かしにくくなると、自身では着替えができない状態になることもあるかもしれませんが、これまでと同じように更衣をすることで生活にメリハリをつけることができます。
ずっと寝たきりの状態だと、徐々に体力が落ちてしまうため、できるだけ通常の生活を行うのが好ましいです。
また、ずっと同じ服をきた状態では体の汗などにより、服が汚くなってしまいます。
衣服を新しいものに取り替えることは清潔を保持することにもつながり、清潔な服は皮膚を清潔に保つことも可能になり、褥瘡(体重により圧迫されて血流が悪くなり、ただれたり傷ができてしまうこと)の対策になります。
また、1人ではできなかった行為が、誰かに助けてもらってできるようになることはQOL(生活の質)の向上にもつながります。

3.更衣介助の注意点

更衣の介助を行う上で、いくつか注意が必要です。
無理に更衣を手伝ってしまうと、動かしにくい部分に、余計な負担がかかってしまうことがあります。
・脱健着患
更衣介助する上で、脱健着患という言葉があります。
「健康な所から脱ぎ、疾患のある所から着る」という意味で、特に体に麻痺がある方の介助をする場合は重要な注意点です。
・ヒートショックに注意する
ヒートショックは、暖かいところから寒いところに移動することで急激な温度変化により血液が変動し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまう現象です。
特に冬場に介助を行う場合、守られるものがなく非常に危険です。
室温としての理想は25℃前後と言われており、服を脱いだ時に寒くないようにしておく心がけが必要です。
・できることは自分でやってもらう
「介助」は、全てをやってあげることではありません。本人ができることとできないことを見極め、サポートすることが重要です。
病気や加齢などで体が動かしにくくなってしまって、残された機能を残存機能といいます。
この残存機能を活かしながら介助することで本人の自律支援になります。
・皮膚に異常がないか観察する
先に記載した褥瘡についても、介助時に注意して観察しましょう。
特に、圧迫を受けやすいお尻・かかと・肘に生じることが多く、放っておくと皮膚の深いところまで広がってしまうので注意が必要です。

4.更衣介助についてのまとめ

・介助が必要であるかどうかはFIM採点で判断可能
・更衣の効果は、生活のメリハリ・清潔の維持・QOLの向上
・脱健着患(健康な所から脱ぎ、疾患のある所から着る)を心がける
・室温を25度程度に調整し、ヒートショックに注意する
・できることは自分でやってもらい、残存機能を維持させる


参考
全日本民医連
https://www.min-iren.gr.jp/?p=31876

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