【治療を学ぼう】TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)
岡崎市民病院のCure
TAVI(タビ)とは?
カテーテルを用いて人工弁を留置する、心臓弁膜症に対する新しい治療法です。
TAVIの実施施設として着実に実績を重ねています。
超高齢社会の進展に伴い、心臓弁膜症のなかでも、大動脈弁狭窄症が増えています。この病気は、心臓の出口にある大動脈弁が硬くなって開かなくなり、心臓から充分な血液を送り出せなくなるもの。TAVI(タビ:経カテーテル大動脈弁植え込み術)は、カテーテルと呼ばれる医療用の管を使って、その硬くなった大動脈弁の代わりになって働く人工弁を留置する新しい治療法です。
当院は令和2年10月、手術実績、設備機器、人員などの施設基準を満たし、TAVIの実施施設に認定されました。これは愛知県内で13番目、西三河で2番目、西三河南部東医療圏では初めての認定になります。そして、令和2年11月30日に、TAVIの第一症例目を施行。その後も順調に実績を重ねています。
外科的手術は難しい方がTAVIの治療対象です。
大動脈弁狭窄症の根本的な治療は、これまで人工心肺を用いて心臓を止めて行う外科手術しかありませんでした。しかし、手術は体への負担が大きく、運動能力の低下した高齢の方や呼吸器疾患などの合併症を持つ方には適用することはできませんでした。
TAVIは、そのようにこれまで外科手術を諦めていたハイリスクの方々を対象にした治療法です。脚のつけ根などからカテーテルを挿入し、ステント(金属製の網目模様の筒)と一体化した人工弁で、狭くなった大動脈弁を押し広げ、留置します。胸を大きく切開する外科手術とは違い、治療後の回復も早く、速やかに退院していただけます。退院後は、大動脈弁機能が大幅に改善しますから、治療前にはできなかった趣味や活動を楽しんでいただけます。
Doctor’s message
循環器に精通した多職種から成るチームで質の高い治療を提供します。
TAVI治療の対象は高齢の方や合併症を持つ方などに限られます。そのため当院では、循環器内科と心臓血管外科の医師が充分に議論し、患者さんに適した治療を選択しています。
また、実際の治療では、医師だけでなく、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師など多くのスタッフが関わります。とくに、この治療は70歳代以上の方が対象になることが多く、管理栄養士が栄養不足にならないよう気を配ったり、リハビリテーションスタッフが運動機能や嚥下(飲み込む力)機能が低下しないよう、きめ細かくサポート。患者さんが一日も早く元の生活を取り戻せるよう、チーム全員の力を結集して取り組んでいます。
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