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病院・クリニックからのトピックス
西尾市民病院〈発〉

【こんな言葉知っていますか?】認知症サポートチーム

地域医療の豆知識

2020年10月5日|1,286 VIEW

決して他人事ではない「認知症」。患者さんと家族を支える社会づくりがとても重要です。

超高齢社会の大きな問題の一つに、認知症を患う方の増加があります。5年後の2025年には、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症と見込まれ、今からその対策が重要課題となっています。
そのための取り組みは全国各地で行われていますが、西尾市でもいくつか実施されています。例えば、認知症の方を介護する家族の不安や、戸惑いを解消する介護者同士のための「認知症介護家族交流会」、認知症を理解し、認知症の方や家族を温かく支援する「認知症サポーター養成講座」、認知症の方や家族の方の息抜きの場、交流の場である西尾市認定「認知症カフェ」などがあります。
こうした活動に参加し、認知症の正しい知識を持つ方が増えることは、認知症患者さんの早期発見と早期治療に繋がります。何より大切なことは、認知症の方を特別視しないという社会づくり、さらには地域全体で認知症の方を見守り、家族を支える環境づくり。決して他人事とは考えず、社会全体で取り組んでいきたいものです。

西尾市民病院では

多職種で活動する認知症サポートチーム。一人ひとりの患者さんを見つめて。

認知症看護認定看護師
市川基子

当院では、認知症サポートチームを設置しています。チームは精神科医師をリーダーに、公認心理士、認知症看護認定看護師、社会福祉士、薬剤師、言語聴覚士、作業療法士の多職種で構成。認知症のある・なしにかかわらず、対象患者さんをチームでスクリーニング。病棟での課題を聞き、多職種でカンファレンスを行い、患者さん一人ひとりの対応策を考えていきます。
加えて、認知症の入院患者さん向けに、非薬物療法として院内デイケアを行っていましたが、コロナ禍では一旦中止。それに代わるものとして、認知症の方に一つの部屋に集まっていただき、見守りはもちろん、合唱する、簡単な体操をするなど、ユニットケアが行えないか、今はそのマニュアル作成を進めています。また、私自身は認知症の看護専門外来も担当し、主にご家族を中心に、ご相談をお受けしています。また、もう一人の認定看護師が、夜間ラウンドし認知症の患者さんのお話を聞き、記録に残すといった活動も行っています。いずれの活動も、認知症患者さんの本来の姿を見つけ出し、ご家族や次の施設の方にお伝えするため。患者さんが獲得できるはずの生活を、少しでも実現していただきたいです。
また、患者さんの元々の病気治療を進める病棟スタッフが、負担なく業務を進められるようサポートすることも意識しています。それはイコール、患者さんのより良い治療、早期退院に繋がり、患者さんには大きなメリットになります。

 

 

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