〈地域包括ケアシステム〉を、ご存じですか?
地域医療事情【桑名・いなべ地域】
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けていくための仕組み。
日本は今、未曾有のスピードで高齢化が進行しており、1980年に9.1%だった高齢化率(総人口に対する65歳以上の割合)は、2017年には27.7%まで上昇しています。そして、団塊の世代が75歳となる2025年には30%を超えると予想されています。
では、高齢化が進むと何が問題なのでしょうか。その中心となるのは医療・介護需要の問題です。年を取るとさまざまな病気が出てきますし、介護で生活を支えてもらうことも必要になります。つまり、高齢者の割合が増えるということは、医療や介護を必要とする人に対し、それを提供する人が少なくなることを意味します。このような社会では、充分に医療・介護を受けることもできず、安心・安全な暮らしが脅かされてしまいます。
そこで厚生労働省は、中学校区を目安とする各地域のなかで、高齢者に対する住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みとして、地域包括ケアシステムという考え方を打ち出し、2025年に向けて構築を始めました。もちろん、地域ごとに環境や資源は異なります。そのため具体的な仕組みづくりは、国が示した指針に基づき、各都道府県や市町村が中心となり進めているのです。
但し、いくら仕組みができても、支える資源には限りがあります。地域包括ケアシステムの実現には、一人ひとりが、まずは自分のことは自分で行う、自分だけでは難しいことは地域のなかで助け合うという意識を持つことも重要なのです。
地域とともに ヨナハでは
より良い在宅療養を見つめ、患者さんをずっと支えます。
当院のある桑名・いなべ地域は、2025年には総人口は減りますが、65歳以上・70歳以上の人口は増加すると予想されています。また、この地域は医療機関が多くありますが、回復期リハビリテーション病棟がある病院は当院のみになります。当院では、そうした地域の特色を踏まえ、地域の皆さんから何を求められているのかを常に考え、地域包括ケアシステム実現への貢献をめざしています。
そのために力を注いでいるのが、地域全体の介護やリハビリテーションのレベルアップです。現在、コロナ禍で少し中断していますが、「福祉用具の選び方」「お口の介護予防」などテーマを決めて、在宅医療・介護に携わる方々と一緒に研修会を開催。患者さんが入院中に獲得した日常生活機能を低下させないよう、地域の受け皿をサポートしています。
また、当院では患者さん個々の退院時の引き継ぎにも力を入れており、退院前の住宅家屋チェックの際にケアマネージャーの同行をお願いしたり、退院時ケアカンファレンスの開催に加え、必要に応じて、入院中の介助方法やリハビリテーションの方法を動画に撮り、入所先にDVDを提供するなど、退院後も切れ目のない支援が提供されるよう働きかけています。私たちは、これからもより良い在宅療養を見つめ、地域に密着した病院としてできることを精一杯実践していきます。
医療相談室・地域相談室(オリーブ)
TEL 0594-23-2415 (担当:清水)
FAX 0594-27-6605 (医療相談室直通)
中日新聞リンクト編集部からのお願い
皆さまからいただくコメント・ご意見が、私たちの活力になります。より良いサイトづくりのため、皆さまの投稿をお待ちしておりますので、ぜひ下記投稿欄からお気軽にコメントください!
(各病院への診療に関する質問・相談等はこちらではお答えできませんのでご了承ください)
コメントを残す