岡崎市民病院

【治療を学ぼう】敗血症、敗血症性ショックの治療

岡崎市民病院のCure

2020.07.291,489 views

敗血症、敗血症性ショックの治療とは?

感染症が原因で、臓器障害が起こっている状態。
全身管理による迅速な治療が重要です。

全身状態を保ち、低血圧を防ぐ初期治療。

敗血症とは、感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされた状態をいいます。感染症とは、微生物(細菌やウイルス、カビ)などが体内に侵入することをいい、通常は、体が防衛反応を起こし、微生物を退治しようとします。しかしときには、防衛反応がコントロールできず、心臓や肺、腎臓などの臓器が障害を受けることがあります。これが敗血症です。敗血症によって、危険なレベルの低血圧となった状態を、敗血症性ショックといいます。敗血症性ショックに陥ると、内臓が機能不全となり、生命を脅かすこととなります。そのため、敗血症性ショックを念頭に置き、治療を行います。各種検査を行う一方で、点滴により水分、輸液を短時間で大量に投与する、また、昇圧剤を投与するなど、全身状態を保ち低血圧を防ぐ初期治療をただちに行っていきます。

感染症治療、合併症治療、そして、リハビリを実施。

初期治療に引き続き行うのは、感染症そのものの治療です。胸部X線やCT検査、血液検査、培養検査などにより、敗血症の原因となっている感染症を確認し、感染源によって抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの抗生剤の点滴治療を実施します。併せて状態に応じ人工呼吸器管理、透析、血糖管理、また、敗血症の合併症である播種性血管内凝固症候群(小さな血栓が血管にでき、血管を詰まらせる状態)の治療を進めていきます。
こうした治療は日単位で行われますが、重症とはいえ安静にしているだけではありません。ゆっくりと動くことから始め、足腰が弱るのを防ぐ、身の回りのことを行うなど、段階的にリハビリテーションを開始し、以前の生活と同じ、あるいは可能な限りそれに近づくなど、社会復帰の準備に取り組んでいきます。

 

Doctor’s message

救急科統括部長
小林洋介
集中治療、全身管理を専門とする救急科が、迅速な治療を進めます。

死亡リスクが高い敗血症性ショックに対しては、集中治療による全身管理に基づいた迅速な治療が不可欠です。例えば、上記でご説明した抗生剤投与は、来院して1時間以内の実施が目標とされており、当院では、治療の初期段階は全身管理を専門とする救急科が、集中治療室、設備、スタッフを最大限に活用して診療を行っています。そして、感染症自体の治療に入ると、必要に応じて各臓器の専門の診療科と連携、協力して治療を進めていきます。
敗血症、敗血症性ショックを予防するには、敗血症に繋がる感染症を起こさないことです。とりわけ高齢者、乳幼児、慢性疾患を持つ方は、常日頃から体調管理、清潔保持に充分にご注意ください。

 

 

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    岡崎市民病院は、岡崎市と幸田町の人口43万人の命と健康を預かる高度急性期医療を得意とする地域中核病院です。2020年4月に愛知県がんセンター岡崎病院が岡崎市に移管され、岡崎市立愛知病院となったことに伴い、愛知病院で行ってきた専門性の高いがん診療を順次、岡崎市民病院で実施できるようにしています。今後も市民・町民のみなさまから、困ったときに頼りになる市民病院でいられるよう、体制を整えてまいります。

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