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病院・クリニックからのトピックス
西尾市民病院〈発〉

【病気のおはなし】糖尿病

西尾市民病院のCure

2020年7月28日|2,137 VIEW

最も大切なのは、生活習慣の改善。さまざまなツールや機器を活用し、合併症を予防しましょう。

01 進行すると重篤な合併症を引き起こします。

糖尿病は、インスリン(血中から体内に糖を取り込むホルモン)の分泌や効きが何らかの理由で悪くなり、血糖値が高くなる病気です。主に免疫系の異常によって引き起こされる1型と、生活習慣(過食、運動不足等)やストレスなどが原因の2型に分かれ、糖尿病患者の約9割は2型糖尿病といわれています。
糖尿病の怖さは、病気の進行とともに合併症が生じる点です。特に発生しやすい合併症としては、神経障害、網膜症、腎症の3つがあり、3大合併症と呼ばれています。他にも、足の壊疽(えそ)や脳卒中、狭心症など、身体・生命に関わるさまざまな合併症があります。

02 血糖値の変動状況を把握する新しい機器が登場しています。

糖尿病の治療は、生活習慣の改善を軸に、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて行います。その組み合わせ方は、患者さんの病状や生活環境によって千差万別で、血糖値などで治療効果を確認しながら細かく調整していくことが大切です。
そして近年、こうしたオーダーメードの糖尿病治療をサポートする機器として、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)が注目されています。FGMは血糖測定器の一種で、上腕につけたセンサーに専用リーダーをかざすことで、2週間、おおよその血糖値とその変動をリアルタイムで把握できるものです。これまでの血糖測定方法に加えて、連続的な血糖値の推移を知ることができるので、一人ひとりの傾向に合わせて、より精度の高い治療がめざせるようになり、患者さんの自己管理にも役立つと期待されています。

Message

内分泌内科 医長
川久保充裕
新しい機器を導入し、治療の選択肢を拡げています。

当院では、主にインスリン等の自己注射を行っている方を対象にFGMを活用しています。また、令和2年3月からは、新しく持続血糖測定器(CGM)を導入し、自己注射をしていない患者さんについても、2週間の血糖推移を見ることができるようになりました(※)。
糖尿病治療に用いる、薬やインスリン、機器は年々進化しています。そして、それらの多くは、糖尿病治療の効果を高め、負担を軽減してくれるものです。当院では、FGMやCGMに加え、1型糖尿病患者さんに対するSAP療法など、幅広く治療の選択肢を用意しています。糖尿病でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
※リアルタイムではなく、2週間後に医療機関でデータを確認します。

 

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