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病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ
安城更生病院

【診療機能のご紹介】認知症治療

安城更生病院のCURE

2020年7月6日|1,373 VIEW

認知症の研究、薬の開発は大きく進化しています。

脳神経内科が扱う代表的な病気の一つに、認知症があります。認知症は一つの病名ではなく、何かの原因で認知機能(記憶や認識、判断など)が低下し、生活に支障をきたしている状態をいいます。主なものとして、脳の神経細胞が減って、脳が小さく委縮してしまうことで症状が現れる「アルツハイマー病」、脳卒中が起こるたびに認知機能が低下する「血管性認知症」、レビー小体という構造物が神経細胞に溜まり、認知症などのさまざまな症状を示す「レビー小体型認知症」があります。
このなかで全体の約60%は、アルツハイマー病です。発症の原因はある種のタンパク質が、脳に蓄積することだと考えられています。現在では研究が進み、タンパク質の蓄積を抑える薬の開発、さらには、認知症を発症する前段階から、タンパク質を除去する治療を開始する治験が進められています。また、約20%を占める血管性認知症では、高血圧など脳卒中の原因をコントロールし再発を予防していきます。そして、その他の認知症の中では約20%がレビー小体型認知症であり、認知症症状をはじめ、さまざまな症状を軽減することをめざして、さまざまな方法を、適切に組み合わせた治療が進められています。

ご本人とご家族を支え、適切な治療に全力を注ぎます。

前述のとおり、認知症はさまざまな研究が進み、薬の開発も進化しています。現時点では認知症を根治する治療法は、残念ながらまだありませんが、症状を改善する治療は進歩を遂げており、症状を抑えたり、進行を遅らせたりすることで、ご本人の生活の質を保つ、あるいは上げていくことは可能です。
そのためにも大切なことは、ご家族の認知症に対する理解です。兆候を見逃さない、早めに専門医を受診する、どのタイプの認知症かを知り正しく理解する、温かく見守り適切な援助などをすることで、症状の出方や進行などが変わってきます。
認知症は高齢になればなるほど、発症しやすいと言われています。わが国では、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症を患う人が約700万人に上ると推計されています。当院脳神経内科は、ご本人一人ひとり、そしてご家族を支え、より確かな認知症治療に全力を注いでいきます。

Doctor’s message

脳神経内科 代表部長
川上 治
「物語りと対話に基づく医療」の実践を大切にしています。

脳神経内科医は、医療は患者さんからの信任で成り立つものと考え、信頼関係の構築に努めています。ベースにあるのは、「物語りと対話に基づく医療」。患者さんが語るご本人の人生の物語を受け止め、身体的、精神・心理的、社会的にアプローチしていきます。
もちろん、「科学的な根拠に基づく医療」は不可欠ですが、それだけでは、すべての患者さんに最適とはいえません。患者さんのこれまで生きてきた人生、これから生きていきたい形を聞き、共感し、ご本人の病態、症状にふさわしい治療の提供に力を注いでいます。

 

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