【こんな言葉知っていますか?】地域包括ケアシステム
地域医療の豆知識
超高齢社会を支える「地域包括ケアシステム」の実現には、私たち自身の意識も大切です。
少子超高齢化が叫ばれる私たちの国では、今、〈地域包括ケアシステム〉の構築が急務とされています。地域包括ケアシステムとは、中学校区を目安とする各地域のなかで、高齢者に対する「住まい・医療・介護・予防・生活支援」が一体的に提供される仕組みのことです。目的は、歳を取っても、最期まで住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けられる社会づくり。厚生労働省では、団塊の世代が後期高齢者に達する2025年を目処としており、実際には、地域ごとに環境や資源が異なるため、国が示した指針に基づき、各都道府県や市町村が中心となり進めています。
地域包括ケアシステムで「住まい・医療・介護・予防・生活支援」が一体的に提供されるといっても、支えてくれる人、財源がなくては実現できません。少子化が進むなか、どのように支援や財源を確保するのか、国としての課題はあります。それに対して私たち自身は、まず自分のことは自分で行う、自分だけで無理なら地域のなかで助け合うといった、〈自助〉〈互助〉の意識を持ち、ともに未来の社会づくりを見つけていきたいものです。
西尾市民病院では
時代の変化、地域のニーズを見つめ、地域包括ケア病床91床を稼働させています。
今日の地域医療では、以前のように病気が治るまで、急性期病院でずっと入院することが許されなくなりました。病状が落ち着いたならば、早期に退院してご自宅、あるいは地域の介護施設など、在宅で療養を続けるという形になっています。
しかし、すぐに在宅に戻るのが難しい患者さんがいらっしゃいます。そうした方のためにあるのが「地域包括ケア病床」です。ここではしばらくの間、入院を継続し、医学的管理、看護、リハビリテーションを行い、その一方で、退院の支援を推し進め、安心して在宅へお帰りいただくようにしていきます。また、在宅で療養中に急性増悪した患者さんを受け入れるのも、この病床。在宅復帰を見つめ、治療、看護、リハビリテーション、退院支援を進めていきます。
西尾市民病院では、「地域包括ケア病床」を91床有しています。急性期病院として地域を支えていた当院が、なぜ地域包括ケア病床を持ったのか。それはもちろん、市民の病院として、時代の変化、地域のニーズに的確にお応えするため。急性期医療で培った医療技術を最大限に発揮し、地域包括ケアシステムを支える病院として、地域への貢献を果たしたいと考えています。
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