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病院・クリニックからのトピックス
公立西知多総合病院

【地域医療を知ろう】病診連携

知多半島医療圏

2020年2月21日|822 VIEW

病院と診療所が役割を分担し、地域医療を支えています。

高齢化が進むこれからの時代において、皆さんが住み慣れた場所で安心して暮らし続けるためには、地域医療のさらなる充実が不可欠です。しかし、それを支える財源や医療資源は限りあるもの。いかに効率的・効果的に医療を提供していくかが重要な課題となります。こうした課題への対策の一つが病診連携の推進です。病診連携とは、その名の通り、病院と診療所の連携のこと。日常的な診療や健康管理を「かかりつけ医」である診療所が担い、そこで高度な検査や治療が必要と判断された場合に病院に紹介するという仕組みです。病院と診療所が役割を分担し、互いに機能を高めながら連携することで、質の高い医療を効率的に提供することが可能になります。現在、多くの病院が地域医療連携室のような部署を設け、診療所との関係を深め、スムーズに患者さんを紹介し合うための環境整備を進めています。

 

当院では

慢性腎臓病患者さんを中心に、診療所と連携して診療を行っています。

診療部統括部長 腎臓内科部長
久志本浩子

当院では平成27年の開院以降、地域医療連携室を中心に病診連携を推進しており、平成30年11月には、かかりつけ医等を支援する病院として、愛知県知事から「地域医療支援病院」の承認を受けています。
こうした流れのなか、私たち腎臓内科も、地域の診療所との連携を強化するため、いくつかの取り組みを進めています。そのなかでも特に力を入れているのが、慢性腎臓病(CKD)に対する病診連携です。慢性腎臓病は、進行すると透析や腎移植が必要になり、最悪の場合、心臓血管疾患などに繋がる怖い病気です。また、慢性腎臓病の治療は一時的なものではなく、基本的に生涯続くもの。そのため、入院治療・専門治療を担う病院と、日常的な健康管理を担う診療所とが、連携して早期治療・継続治療に努めることがとても大切になるのです。
当科が行っている代表的な取り組みとしては、まず紹介基準の明確化があります。当科では、半田市立半田病院、常滑市民病院と共同で、慢性腎臓病患者さんの紹介基準を数値として定めており、診療所から適切な時期に患者さんをご紹介いただき、早期に専門治療を開始できる体制を整備しています。また、質の高い治療を継続していくには、病院と診療所が、知識や情報を共有することが必要です。そのため当科では、西知多CKD連携セミナーと題した、地域の医療職向けの勉強会を開催し、慢性腎臓病に関する地域医療レベルの向上に力を入れています。もちろん、こうした特別な取り組みだけではなく、当科では日常的に診療所の先生方と交流し、密に連携できるようさまざまな工夫を行っています。
病診連携は、総合的な視点と専門的な視点で「2人の主治医を持つ」ことになり、患者さんにも大きなメリットがある仕組みです。当院は今後も病診連携を強化し、地域医療のさらなる充実に向けて取り組んでいきたいと思います。

 

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