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公立西知多総合病院

【治療を知ろう】緩和照射

公立西知多総合病院のCure

2020年2月21日|1,315 VIEW

がんに伴う痛みや苦しみを緩和し、生活の質を取り戻します。

緩和照射は、放射線を使ってがんの症状を和らげる治療法です。

がんは、初期段階ではほぼ無症状ですが、進行すると体にさまざまなつらい症状を引き起こします。例えば、がんが骨に転移したり、大きくなって神経を圧迫したりすると、激しい痛みや痺れなどが生じます。
また、がんの塊が消化管や気管を塞ぎ、物を飲み込めなくなる、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることもあります。そういった症状を和らげ、QOL(生活の質)を改善するために行われるのが緩和照射です。緩和照射は放射線を用いた治療法で、患部に放射線を照射することで、がん細胞のDNAに傷をつけ、死滅させたり増殖を抑えたりします。1回の照射ですぐに効果が出るわけではありませんが、多くの場合、治療を続けることで、少しずつがんが小さくなり、症状も徐々に和らいでいきます。

個々の状況に合わせた負担の少ない治療をめざします。

緩和照射を希望される場合、まずは治療を担当する看護師と面談し、医師が診察。治療に対する説明に加え、症状や過去の照射歴、治療に対する希望などの確認が行われます。そしてその後、治療計画用のCTを撮影し、集めた情報をもとに、医師が照射の範囲、線量、回数など、患者さんの状態に合わせて治療計画を立案します。その際、できるだけ副作用が無く治療を行えるよう、放射線量は根治照射(がんを治すことを目的とした放射線治療)に比べ少なく設定されます。また、治療期間も根治照射より短い場合がほとんどで、最も一般的な緩和照射は10回(平日5日を2週間)程度です。さらに、治療自体は通院で行うことができ、1回の治療時間も30分程度と短いため、治療に対する負担はそれほど大きくありません。

診療科部長メッセージ

放射線治療科部長 永井愛子
最新機器を活用し、患者さんの希望を第一にした診療を行っています。

当院では、平成31年4月から、放射線治療機器トモセラピーの最新機種ラディザクトを導入し、放射線治療を開始しました。同装置は、高精度の放射線照射が特長で、緩和照射においても、より副作用が少なく効果の高い治療を可能にします。
こうした最新機器を活用することに加え、私たちが注力しているのは、患者さんの希望に沿った緩和照射を実現することです。そのため、医師の面談前には、当科の看護師が患者さんとじっくり話す時間を設けていますし、私自身も看護師をはじめとしたスタッフと密に連携することで、できるだけ患者さんの生活スタイルや希望に合った治療計画を立案できるよう心がけています。

 

 

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