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病院・クリニックからのトピックス
安城更生病院

安城更生病院の発展的再構築を期して

新年のご挨拶

2020年1月8日|1,216 VIEW

明けましておめでとうございます。
平成から令和の御代に移り変わり、また新たな年を迎えました。昨年のラグビーW杯では、日本代表チームが桜のジャージで勝ち進みONE TEAM/一心桜・体(一心同体)の流行語が生まれました。いよいよ今年は1964年以来となる東京オリンピックの開催年です。五輪には相互連帯の意味も込められていますので、令和・時代の東京五輪・開催によって、協同と連帯の精神が世に溢れることを願います。

創立85周年・私たちの3つの役割と4つの柱

1935年は、その5年後の五輪開催地をめぐって、世界各国9都市とともに当時の東京市が立候補し、招致活動が繰り広げられた年でした。当院は同年の3月に誕生しました。現在、安城市図書情報館アンフォーレを核に、近代的な景観となった御幸本町の地において、病床数45床、職員数40名の「更生病院」として開院して以来、67年間にわたって増改築を繰り返しながら成長を続けました。そして2002年5月現在地へ全面移転する際、安城更生病院と改称し、急性期医療の充実を基本方針に掲げて邁進しております。これもひとえに地域の皆さまから多大なご支援を頂いたお陰です。改めて感謝申し上げます。
現在の当院は、地域中核病院・安城市の市民病院・医療人財を育成する教育病院の3つの役割を自覚しています。とりわけ人口110万を超える西三河南部地域を視野に入れて、高度急性期医療を実践する病院としては、救命救急医療・がん医療・周産期医療・災害医療の4領域を柱とし、それぞれ国・県からセンター病院・拠点病院の指定を頂いており、こうした当院の役割を果たすべく、1,825名の全職員は医療人としての志を持って努力を続けてまいります。

安城更生病院の発展的再構築

急速に少子高齢化が進む我が国にあって、人口動態推計によれば、すでに多くの地域で医療需要が減少をはじめているなか、当西三河地域は2040年頃の頂点にむかって、現在よりもさらに医療への要請が増大を続ける一方、その受け皿となるべき病床や人員など医療資源が不足する、全国的にも最も厳しい地域と見なされております。また、科学技術の進歩を反映して、高度な診断装置や革新的な治療機器が次々に登場して、多くの恩恵がもたらされつつあり、医療現場への積極的導入と活用が期待されております。
病院の機能は、「人財」と「施設・設備」とが統合されてはじめて発揮されます。私たちは、この地域の医療需要の頂点にむかって、今後20年は続いてゆく険しい坂道とその先を見据えたとき、安城更生病院が自らの使命を果たしながら力強く前進し続けるには、移転から僅か18年とはいえ、既に狭隘化が目立つ現在の施設のままでは限界があると考えてきました。その解決策として、新棟を建設して、現在の本館と連結した一体的な整備を行うことで、病院全体の機能を強靭化する発展的再構築・・・・・・と銘打った施設整備計画を着想し、5年間の歳月をかけて検討を続けてまいりました。当初の夢想は、構想から計画へ、そして達成すべき目標となり、いよいよ昨年11月25日に起工式を挙行し、工事を開始しております。今回の施設整備では、がん治療に対する2種類の最新放射線治療装置(トモセラピー・サイバーナイフ)を配備した高精度放射線治療棟と、高度急性期医療を担う6階建ての新棟を建設してまいります。新棟には循環器センター・血液腫瘍内科病棟・通院治療センター・予防医療センター等を配置します。新棟完成後には現在の本館の改修を行って、手術センター拡張・外科系集中治療センター新設・入退院支援センター新設・歯科口腔外科拡充などを計画しております。レストランや売店も拡張し装いを一新します。こうした施設整備はいわば舞台づくりであり、同時に、その舞台で活躍すべき人財育成・病院組織運営をさらに強化することによって、安城更生病院の機能革新を目指しております。完成時期は、高精度放射線治療棟が2021年5月、新棟は2021年11月、本館改修が2022年6月の予定です。新しい安城更生病院の姿にご期待ください。

叡智を結集して

当院は、世界大恐慌の波及による農業恐慌で疲弊していた1935年当時の、いわば地域復興運動としての「農山漁村経済更生・・運動」から「甦り」(よみがえり)をあらわす二文字を病院名に冠し、「健康を離れて経済的自立も幸福もない」ゆえに「組合病院を設けてすぐれて・・・・近代的医療サービスをなし」「自らの健康は自らの手で守る」との百年の大計をもって、地域の先人達の手によって創設されました。誕生から今日に至る85年間、病院モットーとして、全職員が衆智を結集して歩んでまいりました。これからも私たちは、先人達から託された歴史的使命感と未来指向の視点とをあわせもちながら、この地域の医療・介護需要が頂点となる2040年とその先を見据え、地域全体の叡智を結集して前進してまいります。地域の医療を担い守る気概をもって挑戦を続ける安城更生病院へ、皆さまの倍旧のご理解とご支援をお願い申し上げます。
末筆となりましたが、本年も皆さまにとって幸多い年でありますよう御祈り申し上げ御挨拶とさせて頂きます。

令和2年(2020年)1月1日 記
病院長 浦田士郎

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