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更新日:2022年5月17日 35PV
病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ

ウイルスが原因で唇周りに痛みや水ぶくれがあらわれるヘルペス

発信者
  • 中日新聞LINKED
監修者
  • 準備中

気になる症状

ヘルペスはかゆみや痛みを伴う小さな水ぶくれができる感染性の病気で、ウイルス感染が原因で発生します。
原因となるウイルスは2種類あり、発症部位も異なります。
ウイルス感染症としてはよく耳にする疾患で、成人の半数以上が子どもの頃にすでに感染しているとも言われていますが、免疫の低下などで再発しやすくやっかいな病気の一つでもあります。
今回は、唇周りにできる口唇ヘルペスを中心に、原因や症状、治療について解説します。

ヘルペスの原因は2種類の単純ヘルペスウイルス

ヘルペスになる原因は、「単純ヘルペスウイルス(HSV)」というウイルスです。
このウイルスは、非常にありふれたウイルスで、成人の半数以上が幼少期に感染していると言われています。
生物学的、物理化学的、免疫学的差異から単純ヘルペスウイルス(HSV)はHSV-1とHSV-2の2型に分類されます。

HSV-1

HSV-1型は主に頭部にある神経に潜伏します。
HSV-1型が原因になって発症すると、主に上半身や顔面、特に口唇に多くなります。
HSV-1の感染経路で最も多いのは実際の患部の接触感染です。続いて、くしゃみや咳・会話での飛沫感染が挙げられます。

以前は思春期までにほとんどの人がHSV-1に感染し抗体を保有していると言われていました。
しかし最近では初感染年齢が上がり、成人時のHSV抗体保有率は45%程度となっています。

HSV-2

HSV-2型は主にお尻のあたりにある神経に潜伏します。
HSV-2型が原因になって発症すると、下半身の特に性器に発症し、再発を繰り返します。
HSV-2は主に性行為で感染し、最近では経口避妊薬の使用によりコンドームを使用しなくなるケースも増え、成人になってからの感染も増加しています。

再発頻度はHSV-1よりもHSV-2の方が一般的に高いですが、その頻度は個人差があることがわかっています。
月に数回再発する人もいれば、数年に1回しか再発しないという人もいますが、これは潜伏したウイルス量の違いのほか、免疫能力やウイルス株の差によると考えられています。
HSV-1にかかったことがある方もHSV-2に感染しますが、無症状である場合が多いです。

ヘルペスは周囲の人にもうつる可能性があるため、症状が見られる場合は注意しましょう。
また、疲労やストレスなどで免疫が低下した時に再発するという特徴がありますので、規則正しい生活を送りましょう。

目次

発症部位により異なるヘルペスの症状

特徴的な症状は、唇やその周りにむずむず・ちくちく・ピリピリするなどの痛みが現れ、赤みが出たり水ぶくれになることです。 それ以外にも、口の中や鼻の下・その他顔や首など体の一部にできることもあります。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、始めは唇周りにピリピリするなどの痛みが発生し、その後半日程度経つと赤くなり水ぶくれができはじめます。
この水ぶくれは、小さなボツボツとして現れることもありますが、いくつかの水ぶくれが融合して大きな水ぶくれになることもあります。
その後数週間程度でかさぶたになり、自然治癒します。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、とにかく陰部がかゆい・痛いというのが特徴です。
その後に全身のだるさ・リンパ節の腫れ・痛みのある水ぶくれや赤い腫れが生じます。
男性では亀頭・冠状溝・包皮に、女性では外陰部や子宮頸部に生じることがあります。
痛みは激しく、特に女性では排尿時痛や歩行障害などもみられ、入院が必要になる場合もあります。

臀部(でんぶ)ヘルペス

疲労や月経などの後、おしりに軽い痛みやあざが生じ、半日後に紅斑がみられ、後に小さな水ぶくれになります。 ほとんどが再発型で、年に7回程度再発を繰り返します。

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ヘルペスは治療方法が確立されている

ヘルペスの治療は飲み薬が一般的ですが、治療のタイミングや発生部位に合わせて治療を行います。

飲み薬による治療

抗ヘルペスヘルペス薬を通常で5日間内服します。この薬はウイルスの増殖をおさえる効果があるため、ヘルペス自体がかさぶたになってしまったような段階ではあまり効果が期待できず、できるだけ早い段階で飲み始めることが有効であると言われています。

塗り薬による治療

抗ヘルペスウイルス薬を皮膚や粘膜の表面に塗布して治療します。 性器ヘルペスの場合、膣内や子宮頸部でもウイルスが増殖するため、塗り薬のみでの治療は推奨されていないことには注意が必要です。

点滴による治療

重症の場合や免疫不全を伴う場合に有効であるとされています。 皮膚や粘膜の表面だけでなく、神経内部でのウイルス増殖をおさえることができます。

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基本は問診や視診、場合によっては抗体検査や抗原検査を

ヘルペスは基本的には問診や視診で診断しますが、場合によっては抗体検査や抗原検査を行います。

抗体検査

ヘルペスウイルスに対する抗体があるかどうかを血液検査し、ヘルペスの感染を判断します。

抗原検査

水ぶくれができている場合は直接患部から内容物を採取し、ヘルペスウイルスの有無を検査します。

早期の治療を行うためにも、気になる症状がみられたらまずは皮膚科を受診しましょう。

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ヘルペスに関しての総まとめ

「唇周りがピリピリする」「水ぶくれが広がっている」など気になる症状がみられたら、まずはセルフチェックをしてみましょう

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画像提供:PIXTA
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