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更新日:2022年7月1日 186PV
病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ

50代以上に多い帯状疱疹、原因は水ぼうそうと同じウイルスの再活性化

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気になる症状

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる皮膚の病気です。
子どもの時にかかることで有名な水ぼうそうですが、実は治癒後もその原因となるウイルスは体内にひそんでいます。
ウイルスの活動は体の免疫が十分な時は抑えられていますが、何らかの理由で免疫が低下するとウイルスが再び活動し、帯状疱疹を発症します。
50代以上の方が発症することが多く、痛みなどの後遺症が残ったり重篤な合併症を引き起こすこともあります。
できるだけ早く治療を開始することが重要ですので、気になる症状がみられたら皮膚科の専門医に相談をしましょう。
今回は帯状疱疹の原因を中心に治療法や検査について解説します。

免疫力の低下で水ぼうそうのウイルスが活性化することが原因で発症

子どもの頃に水ぼうそうにかかった方も多いと思いますが、帯状疱疹はその原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発症します。
つまり、水ぼうそうにかかったことのある方なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。

水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうが治った後もそのまま体に残り続け、神経節にひそんでいます。
通常の免疫力であれば、このウイルスを抑えることができますが、ストレスや疲労、加齢、また季節の変わり目などの寒暖差などにより体力を消耗し、免疫力が低下することがきっかけとなりウイルスが再活性化し、帯状疱疹として発症します。

帯状疱疹は、一生のうちに1度は経験する人がほとんどですが、時に複数回経験をする人もいます。
免疫抑制剤やがんなどにより細胞性免疫力が低下すると帯状疱疹が再発することもあります。

実は水痘・帯状疱疹ウイルスは日本人の90%は感染していると言われている非常に身近なウイルスです。
若年層でも帯状疱疹になりますが、帯状疱疹にかかった人の7割以上は50歳以上の方で、3人に1人が80歳までに発症すると言われています。
これも加齢による免疫力の低下の影響が大きいためですので、特に50歳以上の方は疲れなどに留意し、帯状疱疹に罹患してもこじらせないように気をつけましょう。

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症状は、帯状に広がる皮膚の痛みやかゆみを伴った小水疱が特徴的

帯状疱疹の症状は、主に体の左右どちらか一方の神経に沿った痛み(時にかゆみ)を伴う小水疱が赤みを伴って集まり、帯状に配列するのが特徴的です。
顔や体、時にはお尻の穴周囲など、全身のどこでも生じます。

皮膚の痛みやかゆみ

多くの場合で皮疹が現れる数日〜1週間ほど前から、チクチク・ピリピリした痛み(時にかゆみ)を感じます。日中は気にならなくても夜間に強い痛みや苦痛を伴うことも多いようです。

発疹

皮膚の痛みやかゆみなどの症状が起こった場所に赤い発疹が発生し、最初はにきびのように皮膚の表面が盛り上がった小さなつぶつぶ(丘疹:きゅうしん)ができます。

水ぶくれ

丘疹はやがて小さな水ぶくれになります。その一つ一つが、次第に集まり、紅暈(こううん:水疱の周りのあかみ)をともない全体として帯状に広がっていきます。
患部が黒ずんだり膿(うみ)がたまったりすることもありますが、通常1週間程度で破れてかさぶたとなり、およそ3週間程度で皮膚症状はおさまります。ただし患部に色素が沈着したり傷跡が残る場合もあります。

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帯状疱疹は合併症や後遺症を引き起こすことも

帯状疱疹を放っておくとさまざまな合併症や後遺症を残すことがあります。
神経に炎症が生じるため、生活をする上で重要な神経にも炎症が起こる場合があり、注意が必要です。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛は、もっともよくみられる帯状疱疹の後遺症です。
皮膚の症状がおさまった後も長期間にわたってズキズキ・ピリピリとした不定期な鈍い痛みや、軽く触れただけでも飛び上がるほどの電気が走るような痛みを感じる「アロディニア」という症状がでることがあり、日常生活にも影響がでてしまうことがあります。

ラムゼイハント症候群

顔面の神経で炎症を起こすと、耳や喉の発疹や痛み・顔面神経の麻痺により、耳鳴り・めまい・難聴など生活に支障をきたしてしまう場合もあります。

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帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬と痛み止めの薬が有効

帯状疱疹は薬で治療を行い、基本的には原因であるウイルスを抑える抗ウイルス薬と、痛みを抑える痛み止めを併用します。

抗ウイルス薬

ウイルスの増殖を抑える薬で、軽症から中等症までは飲み薬を飲みます。
急激な発症や様々な合併症状などを伴い重症化が推測される場合は、点滴治療を目的とした入院をすることもあります。

痛み止め

帯状疱疹で生じる痛みに対処するため鎮痛剤を使います。飲み薬でおさまらない場合は、注射薬での治療となる場合があります。

その他、症状に応じて塗り薬を使用する場合もあります。
一つの神経支配領域を超え、多数の水疱が無秩序に生じた場合は、汎発疹といいます。その場合は空気感染をする水痘(みずぼうそう)と同じ扱いになります。

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帯状疱疹は問診と視診で判定、場合によっては血液検査や抗原検査も

帯状疱疹は、これまでに水ぼうそうにかかったことがあるかを問診し、視診で特徴的な帯状の皮疹を診察することで診断します。
ただし、単純ヘルペスなど似たような症状の病気との判別が難しい場合は、血液検査やデルマクイックVZVなどの抗原検査を行うこともあります。

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帯状疱疹についての総まとめ

「皮膚が痛んだ後に発疹がでた」「水ぶくれが広がっている」など気になる症状がみられたら、まずはセルフチェックをしてみましょう。

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画像提供:PIXTA
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