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更新日:2023年10月3日 5,823PV
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帯状疱疹|専門医監修の症状とセルフチェック

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  • 中日新聞LINKED

気になる症状

最近、皮膚にかゆみやピリピリとした痛みを感じたり、小さなブツブツが出ていたりしませんか? もしかしたら帯状疱疹のリスクが隠れているかもしれません。

今回は、帯状疱疹について、専門医が病気の基礎知識をわかりやすく解説します。

帯状疱疹とは?

帯状疱疹とは、水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる皮膚の疾患です。子どもの時にかかることで有名な水ぼうそうですが、実は治癒後もその原因となるウイルスは体内にひそんでいます。

ウイルスの活動は体の免疫が十分な時は抑えられていますが、他の病気にかかったり、疲労やストレスが溜まったりなど、何らかの理由で免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、帯状疱疹を発症します。各神経節の支配領域で生じるために帯状の症状を起こします。なお、日本人の約9割は水痘・帯状疱疹ウイルスが体内にひそんでいるとも言われているため、誰がいつ発症してもおかしくありません。

代表的な症状として、かゆみや水ぶくれ、湿疹、皮膚のブツブツ、ピリピリとした痛みが挙げられ、胸部から腹部へ、額から鼻へと帯状に症状が出やすい特徴があります。痛みなどの後遺症が残ったり重篤な合併症を引き起こすこともありますので、早期発見・早期対処が必要です。気になる症状がみられたら皮膚科の専門医に相談をしましょう。

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早期発見の重要性とそのためにできること

一つ一つの皮疹は、小水疱となりやがては痂皮となります。痂皮化していない水疱内には、まだウイルスがいますので、接触することで感染する恐れがあります。また基礎疾患などにより免疫力が低下している患者さんの帯状疱疹は、ときにウイルスの再活性化が強く、各神経節の支配領域にとどまらず、水疱が全身へと広がり、ウイルス血症となり、頭痛や高熱などを引き起こすこともあります。この場合は、汎発性帯状疱疹といって、水ぼうそう(水痘)と同じ扱いになります。すなわち、空気、飛沫・接触感染の経路で人から人に伝搬します。

また顔面の三叉神経第III枝領域の口腔内病変を伴うケースでも唾液内にウイルスが多量に含まれますので、汎発性帯状疱疹と同様の扱いになります。このようなケースの場合は、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した経験がない人(水ぼうそうになったことのない乳幼児・水痘ワクチン接種をしていない子どもなど)や基礎疾患等で水痘に対する免疫も下がっている人たちへ感染する可能性があります。自分自身だけでなく、周りの方のためにも、早期発見・早期治療が重要となります。

では、早期発見するためにどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
早期発見するためには、自身が帯状疱疹を発症しやすい人なのかどうか、初期症状としてどのような症状があるのかを把握し、少しでも気にかかる点があれば速やかに専門医に相談することが大切です。

帯状疱疹になりやすい人

過去に水ぼうそうに罹ったことがあり、下記の項目のいずれかでも当てはまるのであれば、帯状疱疹を発症する可能性が高くなります。

・50歳以上の人
・疲労やストレスが溜まっている人
・他の病気にかかり、免疫力が低下している人
・免疫抑制剤など、免疫を抑える薬を服用している人

初期症状

帯状疱疹は、まず身体の左右のどちらか片側にピリピリとした痛みが現れ、その後数日経つと痛みを感じた部分に赤みや湿疹が出てきます。ピリピリとした痛みが長引いたり、少しでも湿疹が出たのであれば、帯状疱疹を疑うようにしましょう。

以上のことに、思い当たることがあれば、すぐに医療機関で診察を受けるようにしましょう。症状が軽度だからといって放置してしまうと、症状が急激に悪化して、取り返しのつかないことになってしまう可能性も決して低くはありません。

帯状疱疹はワクチン接種によって予防することも可能です。帯状疱疹予防ワクチンは、帯状疱疹の発症率を低減させ、重症化を予防するとともに、間接的に帯状疱疹後神経痛の発症リスクを低減させます。ワクチンは現段階では、50歳以上の方に適応があり、種類としては、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。それぞれに特徴がありますので、専門医に相談することを推奨します。

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どのような合併症を生じるのか?

帯状疱疹は、どのような合併症を生じるのでしょうか?

帯状疱疹後神経痛

水痘・帯状疱疹ウイルスにより損傷を受けた神経が、帯状疱疹が治癒した後も正常に修復されない場合があります。帯状疱疹後神経痛は、皮疹消失後3か月以上疼痛が持続する病態であり、加齢は重要なリスク因子と言われています。痛みも様々で、ズキズキ・ピリピリとした不定期な鈍い痛みや、軽く触れただけでも飛び上がるほどの電気が走るような痛みを感じる「アロディニア」という症状がでることがあり、日常生活にも影響がでてしまうことがあります。

帯状疱疹性髄膜炎

水痘・帯状疱疹ウイルスが中枢神経(脳や脊髄神経)に波及をすると、脳炎や髄膜炎、脊髄炎をきたすことがあります。髄膜炎では、頭痛や悪心、嘔吐、けいれん、項部硬直などを生じます。脊髄炎では、下肢の麻痺や膀胱直腸障害(排尿・排便機能の障害)を生じ、神経内科や泌尿器科などで治療をすることもあります。

ラムゼイハント症候群

顔面の神経で炎症を起こし、重症化してしまうと、耳や喉の発疹や痛み・顔面神経の麻痺が生じたり、耳鳴り・めまい・難聴などの症状で生活に支障をきたしてしまう場合もあります。耳鼻科で治療をすることもあります。

そもそも帯状疱疹は、免疫力低下を背景にしていることもあり、上記のような、水痘帯状疱疹ウイルス感染による神経系合併症は、重篤化することがあります。そのような合併症を避けるためにも、早期発見・早期治療を心がけましょう。

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帯状疱疹の治療方法

この章では、帯状疱疹の治療方法についてご紹介します。

帯状疱疹の治療には主に下記3通りの薬剤が処方されます。

抗ウイルス薬

帯状疱疹の治療薬で最も一般的なものです。水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑制し、症状の悪化を防止するために使用します。

鎮痛薬

痛みの症状がある場合に処方されます。痛みの程度や種類によって、適切な鎮痛薬が処方されます。

外用薬

皮膚症状の緩和のために外用剤が処方されます。

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帯状疱疹についての総まとめ

今回は帯状疱疹について解説してきました。最後に重要なポイントを下記にまとめます。

「皮膚にかゆみやピリピリとした痛みを感じたり、小さなブツブツが出るなどの症状がある方は帯状疱疹の恐れがあるかもしれません。
少しでも心当たりのある方は、まずはセルフチェックをしてみましょう。

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画像提供:PIXTA