不整脈の症状は動悸や息切れ、胸の違和感
不整脈の代表的な症状は、脈が速いまたは遅い、動悸・息切れがする、胸に違和感がある、めまいがする、時に気を失ってしまうなどです。
これらの症状は体に大きな影響もなく異常であると気づかない方も多いですが、症状によっては体に重大な影響を及ぼすこともあるため、侮ってはいけません。
不整脈は大きく3種類ありますので、種類別に症状を解説します。
期外収縮
正常で規則的な脈の間に、時々不規則な脈が現れることをいいます。
期外収縮は年齢とともに多くの方にみられるようになる不整脈ですが、その多くは特に心配はありません。
症状としては、動悸がする、一瞬胸がつまるなどがあります。
頻脈
1分間の心拍数が100回以上になることをいいます。
命に関わるリスクのある不整脈に心房細動や心室細動がありますが、頻脈性不整脈の一つです。
症状としては、動悸や息切れがする、胸が苦しいなどがありますが、脈拍が早すぎると心臓の空うちが発生し心臓が全身に血液を送り出せなくなるため、吐き気や冷や汗、めまい、気を失うことがあります。
徐脈
1分間の心拍数が50回以下になることをいいます。
症状としては、息切れやだるさ、足のむくみなどがありますが、場合によっては数秒間脈拍が止まることがあり、脳への血流が低下することでめまいや気を失うことがあります。
主な原因は心臓の病気や加齢、生活習慣病
不整脈の原因は複数ありますが、主な原因は心臓の病気や加齢といわれています。
それ以外では、心臓の病気以外の病気、飲み薬、生活習慣なども原因といわれています。
心臓の病気
心筋梗塞や心筋症、心不全、心臓弁膜症などで不整脈が発生する場合がありますので、これらの病気を患ったことがある方は注意しましょう。
加齢
60歳以上になると不整脈が増えてくるため、加齢も原因として考えられています。
種類や症状で異なる不整脈の治療法
ほとんどの不整脈は特に治療を必要としませんが、特定の命に関わるリスクのある不整脈では、薬を使った薬物治療と薬以外の非薬物治療(薬以外による治療)があります。
薬物治療
頻脈の不整脈は、まず抗不整脈薬などを使った薬物治療を行います。
徐脈の不整脈は基本的にペースメーカーを使いますが、軽症の場合は薬物治療を行う場合もあります。
カテーテルアブレーション治療
頻脈の不整脈、特に心房細動などで行う治療法で、足の付け根の血管などからカテーテルという細い管を心臓に入れ、不整脈の原因である異常な電気回路を焼き切ってしまう治療法です。
植込み型除細動器(ICD)治療
ICDとは常に心臓の脈を監視する装置で、頻脈の不整脈の中でも心室性のものが対象となります。
皮下もしくは静脈に埋め込み、脈拍が早くなったり、心室細動などの症状が発生した場合に自動的に電気ショックを与えることで不整脈を抑えます。
ペースメーカー
主に徐脈の不整脈の治療として用いられていて、心臓の調律の異常を調整してくれます。
不整脈には、突然死を招くもの・症状の強いもの・心不全や脳梗塞などの原因となり得るものが存在しますので、早い段階で治療に取り掛かることが肝心です。
まずは心電図検査を行い、必要に応じて各種検査を行う
不整脈の検査では一般的に心電図検査を中心に行い、必要に応じて24時間心電図(ホルター心電図)、運動負荷心電図、心臓超音波検査(心エコー検査)、心臓電気生理検査(カテーテルによる不整脈精査)などを行います。
ホルター心電図検査
小型の検査装置を体に装着し、24時間の心電図を記録させ、日常生活において体を動かしたり寝ている時の心電図の変化を計測する方法です。
運動負荷検査
運動によって不整脈が変わるのか、狭心症の症状が見られるかなどを検査します。
具体的には、階段昇降や歩行運動、自転車こぎ運動などで運動不可をかけ心電図を計測します。
心臓超音波検査
心臓の収縮力や弁の動き、心房・心室の大きさなどを測定し、心臓の病気の有無を検査します。
心臓電気生理検査
太ももの付け根などの血管から心電図電極付きカテーテルを心臓に向かって挿入し、カテーテルを通じて心臓に電気刺激を与え、意図的に不整脈を起こして計測する検査です。
重症化させないため早期に治療を行うためには、早めに検査をすることが重要です。
気になる症状がみられたら、まずかかりつけ医に相談をしましょう。
また、普段から自身の脈拍を測り、不整脈かどうかの目安にしましょう。一般的に安静時の心拍数は60〜70回/分と言われています。
不整脈についての総まとめ
「安静時に動悸がする」「脈が乱れている」など気になる症状がみられたら、まずはセルフチェックをしてみましょう。