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更新日:2023年6月27日 1,212PV
病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ

糖尿病|専門医監修の症状とセルフチェック

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  • 中日新聞LINKED
監修者

気になる症状

最近、尿の回数・量の増加やのどの渇き、手足のしびれやむくみのような症状はありませんか?もしかしたら糖尿病のリスクが隠れているかもしれません。

今回は、専門医が糖尿病の基礎知識をわかりやすく解説します。

糖尿病とは?

糖尿病とは、「インスリン」という体内の血糖値を下げる役割を持つホルモンが正常に機能しなくなることで、高血糖の状態が続くようになる慢性疾患です。糖尿病は、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2つに分類され、それぞれの概要は下記の通りとなります。

1型糖尿病

1型糖尿病は、インスリンを分泌するβ細胞と呼ばれる膵臓の組織が何らかの原因で破壊されてしまい、インスリンが分泌されなくなってしまう状態です。代表的な症状としては、のどの渇き、尿の回数の増加、疲労感、急激な体重の減少が挙げられ、突然症状が現れるケースが多いことが特徴です。
2型に比べて患者数は少なく、糖尿病患者全体の5%ほどしかいないと言われています。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少ない、もしくはインスリンが正常に作用しないなどの原因で高血糖になってしまう状態です。皆さんが生活習慣病として想像する糖尿病はこの2型糖尿病になります。代表的な症状としては、のどの渇きや尿の回数の増加、手足のしびれ、疲労感などが挙げられますが、はっきりとした初期症状が現れることは少なく、ゆっくりと時間をかけて進行していくことが特徴です。糖尿病の患者さんのほとんどが、この2型糖尿病になります。

高血糖を引き起こす糖尿病ですが、特に2型の場合は初期症状が分かりにくく、発見が遅れてしまうケースが多々あります。糖尿病は発見が遅れ、進行が進んでしまうと、様々な合併症を引き起こすリスクがあり、最悪の場合、命に関わる重篤な疾患を発症する恐れもあります。その一方で、早期発見・早期対処ができれば、生活習慣の改善や適度な運動を行うことで治るケースもあるため、気になる症状などがあれば医療機関を受診し、専門医に相談するようにしましょう。
また、定期的に健康診断を受け、糖尿病の兆候がないかどうか確認することや、日頃から食生活や睡眠時間などの生活習慣に気を付け、糖尿病を予防することも重要になります。

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早期発見の重要性

前章でもご説明したように、糖尿病は早期発見・早期対処が重要となる疾患です。この章では早期発見の重要性と早期発見するためにはどうすればいいのか、解説していきます。

糖尿病は、初期のころは自覚症状が乏しいため、普段から気を付けていなければ早期発見が難しい疾患です。また、定期健診などで糖尿病の予備軍であると指摘を受けながらも、はっきりとした自覚症状がないため、生活習慣を改めなかったり、治療をはじめてもすぐに中断してしまうなどして、糖尿病が進行してしまうケースも少なくありません。

放置してしまうと合併症を引き起こし、時には命に関わる重篤な疾患を発症する恐れもあります。また、早期発見することで、薬物療法を行わずに、生活習慣の改善や適度な運動で自然治癒が望めるケースも出てくるため、少しでも早く発見して適切な対処を行うことが重要です。

初期の頃は自覚症状が少なく、気づきにくい糖尿病ですが、「糖尿病になりやすい人の特徴」と「糖尿病の初期症状」について理解を深め、生活を送る中でそれらを意識することで、早期発見できる可能性を高めることができます。

糖尿病になりやすい人の特徴

・血縁者に糖尿病の方がいる
・甘いものや脂っこいものを好んで食べる方
・野菜をあまり食べない方
・肥満体型の方
・飲酒や喫煙の習慣がある方
・疲労やストレスが溜まっている方 ・運動不足の方
・40代以降の方
・妊娠中の女性の方

糖尿病の初期症状

・尿の回数、量の増加
・のどが乾く
・疲労感
・体重の減少
・目のかすみ、視力の低下
・手足のしびれ、むくみ

以上にあげたことに少しでも心当たりのある方は、一度医療機関を受診し、専門医に相談するようにしましょう。また、心当たりのない方でも、少なくとも1年に1度は健康診断を受けることを推奨します。

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糖尿病が重症化してしまうと

糖尿病は、進行してしまうと様々な合併症の恐れがあると解説してきましたが、具体的にはどのような合併症のリスクがあるのでしょうか。
この後、糖尿病の合併症として代表的なものをいくつかご紹介します。

糖尿病性網膜症

糖尿病の影響により、網膜に損傷が起きてしまう疾患です。初期症状としては、視界がかすむ、光をまぶしく感じる、などが挙げられます。重症化してしまった場合、眼底出血や網膜剥離を引き起こし、視力の低下や失明という取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。

糖尿病性腎症

糖尿病の影響により腎臓の機能が低下することで起こる合併症です。腎臓は老廃物を尿として排出する役割を持ちますが、機能が低下することで蛋白尿、むくみなどの症状が現れます。さらに重症化してしまうと、腎不全に陥り、人工透析による治療が余儀なくされる恐れがあります。

糖尿病性神経障害

糖尿病の影響により、末梢神経に障害が起こることで発症します。末梢神経には、「感覚神経」、「運動神経」、「自律神経」の3つがあり、これらに障害が起こることで、手足のしびれ、冷え、こむら返り、立ちくらみ、下痢、便秘、勃起障害などの様々な症状を引き起こすリスクがあります。

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糖尿病の検査方法と治療方法

この章では、糖尿病の検査方法と治療方法についてご紹介します。

検査方法

検査方法は、血液検査になります。血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が一定の基準値を上回っていれば、糖尿病と診断されます。
また、合併症が疑われる場合には、別途必要な検査を受けることとなります。

治療方法

食事療法では、標準体重や身体活動量をもとに食事内容を決め、朝昼晩と規則正しくバランスの取れた食事を行うことで、血糖値をコントロールできるようにします。また、食事の内容以外にも、食べ過ぎない、よくかんで食べる、就寝直前には食べないなどの習慣をつけることも治療の一環として大切なことです。

運動療法では、適度な有酸素運動を行います。それにより、インスリンの作用を高めたり、心肺機能や脂質代謝を改善することで、血糖のコントロールがしやすい状態を目指します。
ただし、合併症などの状況によっては運動を行うとかえって危険な場合もありますので、専門医の指示のもと、適度な運動を行うようにしましょう。

薬物療法では、飲み薬と注射薬があります。飲み薬では、インスリンの分泌を増やしたり、インスリンの作用をよくする薬、糖の吸収と排泄を調節する薬があります。注射薬には、血糖値の上昇を抑える薬、インスリンの分泌を促す薬、インスリンを外から補う薬があります。

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糖尿病についての総まとめ

今回は糖尿病について解説してきました。最後に重要なポイントを下記にまとめます。

尿の回数・量の増加やのどの渇き、手足のしびれやむくみなどの症状がある方は糖尿病の恐れがあるかもしれません。
少しでも心当たりのある方は、まずはセルフチェックをしてみましょう。

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画像提供:PIXTA