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患者や家族の思いに 寄り添い支援し続ける。

2017年11月2日|93 VIEW

認定看護師から
専門看護師へ、
キャリアを磨き続ける理由。

中村啓子(看護師長・がん看護専門看護師&がん化学療法看護認定看護師)/JCHO中京病院 外来化学療法室・採血点滴室


看護師は、生涯学び続ける職業である。

最新の医療知識を吸収しながら、日々、臨床現場の実践を積み重ね、看護の知識と技術を高め続けていくことが求められる。
その<学び続ける看護師>を、まさに体現するような看護師に出会った。
中京病院の中村啓子である。彼女は何を求め、自らのキャリアを高みへと引き上げているのだろうか。


がんとともに生きる患者の生活の質を高めるために
理論的にアプローチしていく。

患者や家族の思いに、あきらめることなくどこまでも応えたい。そんな決意で日々看護に勤しむのは、がん看護専門看護師とがん化学療法看護認定看護師という2つの資格を持つ中村啓子(外来化学療法室・採血点滴室 看護師長)である。
たとえば抗がん剤の治療で辛い症状が出た場合、中村は「我慢してください」とは断じて言わない。患者の生活や症状、家族の心情などを総合的に考え、薬剤の処方だけでなく、生活面の工夫なども取り入れて、いろいろな角度から副作用を和らげる方法を模索する。対処が困難な状況でも「何か方法がないか調べてきます」と答え、宿題を持ち帰る。
こうした中村の粘り強いアプローチは、認定看護師から専門看護師へと学びを深めてきたキャリアから生まれたものといえるだろう。まず、中村ががん化学療法看護の道に進んだのは平成17年。それ以前、中村は、28病棟(血液科、眼科)に勤務し、主に血液がん患者の看護に携わっていた。当時は今ほど副作用を軽減する薬もなく、患者は辛い症状と厳しい生活制限に耐えていた。「入院中は、好きな食べ物も好きなことも我慢しなければならないことが多くなる。もう少し個々の患者さんの楽しみに配慮できないだろうか」。そう考えた中村は、化学療法看護を基礎から学び直す決心をしたのだ。
資格取得後、中村は、できたばかりの外来化学療法室に配属され、認定看護師教育機関で学んできた専門知識をいかんなく発揮していった。が、数年後、再びステップアップの転機が訪れる。「化学療法中だけでなく、がんと診断されたときから手術や放射線治療、終末期までを含めた一連の過Plus顔写真程にずっと寄り添い支援し続けたい、という思いがでてきたんです。そのためには、がん看護全般を学ばなくてはならないと考えました」。平成22年、中村は三重大学大学院医学系研究科に進学。同院で働きながら、3年間で、がん看護の体系的な知識をマスターした。「放射線療法看護、緩和ケアなど幅広い領域にわたり、エビデンス(科学的根拠)のある看護理論を学びました。それまでは化学療法看護の狭い範囲で看てきましたが、もう少し大局的な見地から患者さんのQOL(生活の質)を考え、エビデンスに基づいた個別性のある援助ができるようになりました」と自信を深める。その幅広い知識の土台があるからこそ、冒頭で紹介したように、中村は患者の抱える問題に、多彩な角度から切り込めるのである。

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