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5疾病・5事業|5疾病
脳卒中

脳卒中——③維持期医療と予防啓発

2021年11月18日|7 VIEW

厚生労働省が重点的に医療提供体制づくりを進めるテーマとして、5疾病・5事業があります。今回はそのなかで「脳卒中」を取り上げ、維持期(慢性期・生活期)の医療と予防啓発の取り組みについて紹介します。
◎5疾病・5事業については、こちらをごらんください。

在宅療養が可能な体制づくり。

回復期リハビリテーションを終えた患者は、自宅や介護施設にて、引き続き、再発予防のための治療や基礎疾患の管理を行い、身体機能を維持するためのリハビリテーションを継続していきます。国では、後遺症が残ったとしても、生活の場でできるだけ暮らしていけるよう、医療と介護サービスの連携した支援づくりを推進しています。
なお、急性期の医療で命が救われても、重篤な神経機能障害や精神機能障害などが残り、生活の場に戻れない患者もいます。この問題を改善するために、在宅への復帰が難しい患者を受け入れる医療機関、介護・福祉施設などと、急性期の医療機関との連携強化が必要です。

岐阜医療圏の取り組み----地域連携クリティカルパスの活用。

岐阜医療圏では、脳卒中の地域連携クリティカルパス(急性期・回復期病院・診療所が共通の治療計画書を用いて治療を行うシステム)を導入。病院と診療所が連携を深めて、急性期から回復期、維持期(慢性期・生活期)まで途切れのない医療を提供する体制を整えています。急性期・回復期の治療を終えて退院した患者は、かかりつけ医のもとで、再発予防の治療や基礎疾患の危険因子の管理を続けていくことになります。
今後の課題は、再発予防への対応や合併症予防です。とくに誤嚥性肺炎(水や食べ物などが気管に入ることにより生じる肺炎)予防のために、口腔管理を行う病院内の歯科や歯科医療機関などを含め、多職種で連携した対策を図ることが必要です。

岐阜医療圏の取り組み---予防啓発の推進。

脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。発症の予防には高血圧のコントロールが重要です。そのほか、糖尿病、脂質異常症、不整脈(とくに心房細動)、喫煙、過度の飲酒なども危険因子であり、生活習慣の改善や適切な治療が必要です。
岐阜県では、これらの危険因子を予防するために、特定健康診査などの定期受診と保健指導を受けるよう県民に促しています。県の医療保険者全体の特定健康診査の受診率は増加していますが、2015年は49.0%で、全国平均の50.0%より低い状況です。岐阜県全体の市町村国民健康保険被保険者の特定健康診査受診率は36.6%で、全国平均の36.3%をやや上回っています。このうち、岐阜医療圏の受診率は34.7%にとどまり、全国平均よりも低くなっています(2015年)。
また、特定保健指導の終了率をみると、岐阜県の医療保険者は23.1%(全国平均17.5%)、市町村国民健康保険被保険者は37.8%(全国平均23.6%)で、全国平均より高くなっています。ただし、岐阜医療圏の市町村国民健康保険被保険者は25.5%に留まり、ハイリスク者への保健指導は不十分です。(2015年)
こうした結果を踏まえ、岐阜医療圏では、特定健康診査受診率や特定保険指導終了率の向上を目指し、地域住民への啓発活動に力を入れていく方針です。


参考文献・出典など
■厚生労働省「第7次医療計画について」
■厚生労働省「第7次医療計画における5疾病・5事業 (がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患、救急、災害、へき地、周産期、小児)及び在宅医療の医療体制」
■岐阜県「第7期保健医療計画」

画像提供:PIXTA

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