脳卒中——②回復期医療
厚生労働省が重点的に医療提供体制づくりを進めるテーマとして、5疾病・5事業があります。今回はそのなかで「脳卒中」を取り上げ、回復期医療の取り組みについて紹介します。
◎5疾病・5事業については、こちらをごらんください。
急性期から回復期、維持期まで継続したリハビリテーションが大切。
脳卒中は、介護の原因にある第一位の疾患です。要介護の状態に至る患者を減らすために、重要な鍵を握るのがリハビリテーションです。
リハビリテーションを集中的に行うのは回復期ですが、その取り組みは早いほど効果が高く、急性期から行われます。可能であれば、発症当日からベッドサイドで開始し、廃用症候群や合併症の予防、早期自立をめざしていきます。回復期に行うリハビリテーションは、機能回復や日常生活動作(ADL)の向上を目的に行います。さらに、維持期になってもリハビリテーションを継続することで、生活機能の維持・向上をめざしていきます。
国では全国各地に、リハビリテーションを専門とする病院、回復期リハビリテーション病棟を備えた病院を整備し、急性期から回復期、維持期まで継続したリハビリテーションを提供できる体制づくりを進めています。
岐阜医療圏の取り組み-----再発予防や社会復帰をめざして。
脳卒中においては、病期に応じたリハビリテーションが切れ目なく一貫した流れで提供されることが必要です。
岐阜県内では、脳血管疾患のリハビリテーションが可能な医療機関は118施設(2013年)あり、増加傾向にあります。
岐阜医療圏では、脳血管疾患のリハビリテーションが可能な医療機関は48施設あります(2013年)。このうち、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)の届出施設は22、(II) の届出施設は7、 (III)のの届出施設は19カ所です。また、回復期リハビリテーション病棟の病床数は502床で、人口10万人あたりの回復期リハビリテーション病棟の病床数は62.8。これは、県内平均46.4を大きく上回り、全国平均60.0をやや上回っています(2016年度)。
- ※脳血管疾患等リハビリテーション料(I) 届出施設: スペースなどの要件のほか、以下の人員要求を満たす施設 ・専任の常勤医師が2名以上 ・以下のアからウまでの専従の従事者が合わせて10名以上 ア 専従の常勤理学療法士が5名以上 イ 専従の常勤作業療法士が3名以上 ウ 言語聴覚療法を行う場合は専従の常勤言語聴覚士が1名以上
- ※脳血管疾患等リハビリテーション料(II) 届出施設: スペースなどの要件のほか、以下の人員要求を満たす施設 ・専任の常勤医師が1名以上 ・以下のアからウまでの専従の従事者が合わせて4名以上 ア 専従の常勤理学療法士が1名以上 イ 専従の常勤作業療法士が1名以上 ウ 言語聴覚療法を行う場合は専従の常勤言語聴覚士が1名以上
- ※脳血管疾患等リハビリテーション料(III) 届出施設: スペースなどの要件のほか、以下の人員要求を満たす施設 ・専任の常勤医師が1名以上 ・専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士または常勤言語聴覚士のいずれか1名以上
■岐阜医療圏の回復期リハビリテーション病棟の届出施設(※) (2017年12月1日)
- 医療法人社団登豊会近石病院
- 医療法人和光会山田病院
- 河村病院
- 朝日大学歯学部附属村上記念病院
- みどり病院
- 山内ホスピタル
- 岩砂病院・岩砂マタニティ
- 医療法人社団誠広会岐阜中央病院
- 各務原リハビリテーション病院
- 愛生病院
- 松波総合病院
- ※脳血管疾患等リハビリテーション料(I) または(II)を厚生局に届け出し、入院によるリハビリテーションを実施している医療機関
参考文献・出典など
■厚生労働省「第7次医療計画について」
■厚生労働省「第7次医療計画における5疾病・5事業 (がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患、救急、災害、へき地、周産期、小児)及び在宅医療の医療体制」
■岐阜県「第7期保健医療計画」
画像提供:PIXTA
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