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新型コロナウイルス対策特集
中日新聞LINKED〈発〉

国内・国外の新型コロナワクチン情報

新型コロナワクチン丸わかり情報パート1

2021年3月29日|413 VIEW

2021年2月17日から、新型コロナワクチンの接種が医療従事者を中心に始まっています。
現在、アメリカのファイザー社のワクチンが接種されています。
様々な情報が錯綜する中で、不安になっている方も多いことでしょう。
今回は、新型コロナワクチンについて次のことについて5回にわたって解説します。ぜひ参考にしてください。

 

日本で使用される予定の3社のワクチン

2021年2月時点で、日本で接種されている新型コロナワクチンはファイザー社のものだけですが、今後、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンが使用される予定です。

ファイザー社(米国) モデルナ社(米国) アストラゼネカ社(英国)
ワクチンの種類 mRNA mRNA ウイルスベクター
有効率 95% 94.1% 90%
接種している国 米国・英国・EUなど 米国 英国

 
今回のワクチンは、従来のワクチンと違うということを聞いたことがあるのではないでしょうか。

一般的に使用されているワクチンは、生ワクチン(はしか・風疹など)や不活化ワクチン(インフルエンザ・日本脳炎など)といわれているものです。

しかし、これらのワクチンは作るのに非常に時間がかかるため、今回の新型コロナウイルス感染症の流行に対応できません。

この流行に迅速に対応するために、mRNAやウイルスベクターワクチンが開発されるようになりました。

mRNA(メッセンジャーRNA)

ウイルスのタンパク質を作るもとになる情報の一部が含まれています。

この情報をもとに、身体の中でウイルスのタンパク質の一部が作られてそれに対する抗体が作られ、免疫ができるというしくみです。

mRNAは、数分から数日で分解されていき、人体の遺伝情報に組み込まれません。

そのため、mRNAを注射することによって長期的に人体に残ったり、精子や卵子に遺伝情報に取り込まれたりすることはないと考えられています。

ウイルスベクターワクチン

無害なウイルスをベクター(運び屋)として使い、抗原のタンパク質の遺伝子情報を組み込みワクチンとして利用します。

ウイルス自体が細胞に侵入して、抗原タンパク質を作り出し抗体によりウイルスを排除すると考えられています。

ワクチンの有効率

ワクチンの有効性について、思い違いをしやすいため説明します。

「ワクチンの有効率90%」というのは、「90%の人に有効で、10%の人には有効ではない」または、「接種した人の90%はその感染症にかからないが、10%の人はかかる」ということではありません。

【ワクチンの有効率とは】
ワクチンを接種したグループと接種しなかったグループ(対照群)の発症率を比較して、「接種していないグループの発症率よりも接種したグループの発症率の方が90%少なかった」という意味です。

表に出されている有効率は、新型コロナウイルス感染症の「発症(症状が出ること)」を指標としたものです。「感染」を指標としたものではありません。

国内の新型コロナワクチン開発について

海外の新型コロナワクチンが接種開始となる中で、国内のワクチンはどうなっているのか興味を持っている方もいることでしょう。

現在、国内での複数の企業が新型コロナワクチンの開発を行っています。

例えば、塩野義製薬、第一三共、アンジェス、IDファーマ、KMバイオロジクスなどの企業です。
開発と共に製造整備も進め、臨床試験が終了して承認されるとすぐに製造過程に入れるように準備を進めている企業もあります。

また、ファイザーワクチンのようにマイナス75℃で保管しなくてもすむように従来のワクチンと同様に冷蔵保存ができるワクチンや、安全性が確立されている従来の方法で開発している企業もあり、実用化が期待されています。

■参考
・厚生労働省 「ワクチン開発と見通し」
・厚生労働省 「新型コロナワクチンについて」
・日本感染症学会 「COVID-19ワクチンに関する提言(第2版)」

画像提供:PIXTA

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