中日新聞LINKED〈発〉

第3回 コロナ禍の最中でも受診すべき、ほかの病気。

(頭痛・吐き気など)熱中症

2020.05.20

コロナ禍の最中だからこそ、知っておきたい健康の基本情報をお届けします。

第3回は、夏場に注意したい「熱中症」です。

マスク着用が基本で、外出も控えめになりそうな今年の夏だからこそ、熱中症の対策は重要です。水分や塩分をとっても症状が回復しないときは、ためらうことなく病院を受診しましょう。

熱中症は、どんな病気?

熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分や塩分が不足し、体温の上昇によって発症する障害の総称です。高温の環境にいると体温が上がり、体温を下げるために発汗が起こります。発汗によって体液が失われると、体は発汗にストップをかけます。すると発汗で体温が下げられなくなり、体温上昇で障害が起こります。

こんな初期の症状を見逃さないで。

step1 軽症
めまい・立ちくらみ・筋肉痛・筋肉がつる

熱中症は、重症になると命に関わるため、初期の症状を見逃さないことがポイントです。熱中症の初期は、血液中の熱を体外に放出して体温を下げようとするため、末梢の血管に血液が集まり、脳や内臓、筋肉に送られる血液が減ってしまいます。そのため、「めまい・立ちくらみ・筋肉がつる」などの症状がみられます。そういう症状が出たら、すぐに涼しい場所へ移動して、冷たい水、とくに塩分も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料などを飲みましょう。

ぐったりして回復しないときは医療機関へ。

step2 中等症
頭痛・気分の不快・吐き気・脱力感・倦怠感

熱中症に気づかずにいると、たくさんの汗をかいて、水分、塩分ともに足りなくなり、脱水症状を起こします。頭痛、吐き気、脱力感、倦怠感などを感じたら、すぐ涼しい場所へ移動して、服を緩めて体を冷やし、体内の熱を外へ出します。さらに、氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げ、冷たい水や経口補水液を飲みます (※)。自分で水分がとれない場合や、水分をとっても回復しないときは医療機関を受診しましょう。

※吐き気や嘔吐がある場合は、口から水分を入れるのではなく、医療機関での点滴が必要です。

こんな症状になれば、すぐに119番。

step3 重症
意識障害・けいれん・ひきつけ

脱水症状が悪化し、体温が上がり続け、脳機能に異常をきたすと、意識障害(呼びかけへの応答が鈍い、言動がおかしい、意識がないなど)が起こります。高体温が続くと、中枢神経や心臓、肝臓、腎臓の機能障害を起こし、命の危険があります。すぐ救急車を呼んでください。

病院で行われる治療法は。

熱中症の応急処置はこれまで述べましたが、病院ではどのような治療が行われるでしょうか。

第一に行われる処置は、身体を冷やすこと。氷枕や氷嚢などを用いて熱や炎症を取り除く「冷却療法」が行われます。さらに、脱水症状などで水分や塩分、栄養素が不足している場合は、点滴でそれらを補います。また、重症化して内臓に損傷が起きている場合は、状況に応じた対症療法が行われます。

コロナ禍の特別な夏だからこそ警戒が必要。

マスクの着用、運動不足など、特別な環境にある今夏は、例年以上に注意が必要です。マスクを着用することにより、体内に熱がこもりやすくなると同時に、マスクの中が湿った状態なので、喉の渇きを感じづらくなり、水分補給が遅れてしまうリスクがあります。
また、この春から、しっかり外出自粛してきた人は、体の機能が暑さに慣れておらず、汗をかいて体温を下げることがうまくできません。また、運動不足から水分を蓄える筋肉の量が低下していることも問題です。保持できる水分量が少なくなれば、それだけ脱水症状になりやすいといえます。

熱中症に負けない体づくりと習慣づけを。

医師たちで構成される「教えて!『かくれ脱水』委員会」では、熱中症予防のポイントとして、食事や睡眠などで健康な体をつくることや、水分と塩分をこまめに補給する習慣づけが大切だとしています。その上で、これから暑くなっていく季節、次のことを行うよう呼びかけています。

活動前に、適切な水分補給と、必要に応じて水分や塩分の補給ができる準備をする。活動中や終了後にも適宜補給を行う。

人混みを避けた散歩や室内での軽い運動で、涼しいうちに汗をかく練習をし、暑さにカラダを馴れさせ、体温調整などが機能するようにしておくことも重要です。

環境省が毎日発表している、暑さ指数(WBGT)をチェックし、その日の行動指針にする。

 

■出典:「教えて!『かくれ脱水』委員会
■出典:公益社団法人 全日本病院協会「熱中症について

画像提供:PIXTA

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