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新型コロナウイルス対策特集
中日新聞LINKED〈発〉

妊婦さんとその周りの人ができること

2020年5月13日|6,683 VIEW

詳細がわかっていないウイルスの蔓延の渦中で、妊娠中やその家族の方々は、不安を抱えて過ごしていると思います。妊婦さんの方の周りの方々は、どうしたら妊婦さんが感染しないかを考えましょう。

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妊婦さんが抱える新型コロナウイルスのリスクを知ること

まずは、妊婦さんの新型コロナウイルスのリスクを知ることからはじめましょう。

妊婦さんの新型コロナウイルスのリスク

①妊娠していない人と症状や重症度は変わらない
②肺炎になると重症になりやすい
③レントゲン撮影などの検査に制限がある
④赤ちゃんへの影響から使用できない薬がある

 

現在、妊婦さんが新型コロナウイルスに感染した場合、症状や重症度は妊娠していない人と変わらないと考えられています。しかし、新型コロナウイルスには肺炎を引き起こす危険があります。
妊婦さんは、大きくなった子宮が横隔膜を持ち上げて肺を圧迫するため肺での換気が抑制されることから、一般的に肺炎が重症化しやすいことがわかっています。新型コロナウイルスの感染に関係なく、妊婦さんの肺炎は重症になりやすいのです。

妊婦さんは、胸のレントゲン撮影やCTなど、エックス線や造影剤を使った検査も制限があります。治療についても、赤ちゃんへの影響を考えると、妊娠していない人に使用できる薬が妊婦さんには使用できないというのが現状です。

感染防止のために行動すること

妊婦さん自身が感染しない、周りの人が妊婦さんに感染させないために、具体的にどのような行動ができるのでしょうか。

妊婦さん自身の行動

妊婦さん自身の行動は、基本的にすべての人が行動することと同じです。妊婦さんはより注意深く行動することが大切です。

妊婦さん自身の行動
●不要不急の外出を控える
●「3つの密」を避ける
●人と2メートル以上の距離を保つ(互いに手を伸ばして届かない距離)
●20秒以上の手洗いや消毒

特に、ドアノブやエレベータのボタン、つり革、手すり、トイレ、ATMのタッチパネルなど、たくさんの人の手が触れる場所に触れたときには、手洗いと消毒をする。

●マスクの着用
●睡眠・栄養・体調を整える
●正しい情報を得ること

不要な外出を避けてこまめな手洗いや消毒が必要ですが、妊婦健診は指示どおりに受けて下さい。
現在は、新型コロナウイルス感染症の特効薬は見つかっていません。インターネット上にある民間療法などは効果が認められていないため、正しい情報を得るには厚生労働省日本産科婦人科学会などのHPを確認しましょう。

■詳しくはこちら>>
●厚生労働省HP
●日本産婦人科学会HP

家族の方々の行動

妊婦さんの家族の方は妊婦さんの行動に加えて、次のことを行動できると良いでしょう。

家族の方々の行動
●妊婦さんの行動に加えて、妊婦さんが買い物などの外出の機会を少なくできるようにサポートする
〈例:買い物はデリバリーでする・家族が買い物に行くなど〉

●テレワークができない家族の方は、仕事が終わったら不要な寄り道をせずに帰宅する
●発熱や咳などの症状がある場合や体調が良くない場合は、妊婦さんと距離を置く

職場や周囲の方々の行動

職場や周囲の方々は、相談しやすい雰囲気を作り、妊婦さんと勤務体制の相談を行いましょう。

職場や周囲の方々の行動
●正社員やパートタイムにかかわらず妊婦さんが就労している場合、勤務体制を妊婦さんと相談する
〈例:テレワーク・時短・時差通勤・休暇の取得など〉

●妊婦さんが赤ちゃんのためにできることを相談しやすいように配慮する

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妊娠や出産に関係する影響

妊娠や出産に関しては、新型コロナウイルスの問題がないときには普通にできていたことが、今後はできなくなる可能性があります。すべて人の接触を制限し感染の機会を減らすことが目的です。とても寂しく心細い状況ですが、新型コロナウイルスの蔓延を早く終息させるために必要なことです。医療施設も苦渋の決断をしています。

妊娠・出産に関する制限の可能性
①妊婦健診の家族の付き添いの制限
②妊婦健診の延期(基本的には通常通りに受けるが、産院の判断による)
③立ち会い分娩や面会の制限
④里帰り出産の自粛
⑤状況によって帝王切開による出産となる可能性

妊娠中は気持ちが不安定になることが多い上に、新型コロナウイルスに関する不安がある妊婦さんもいることでしょう。
経済産業省では、遠隔健康相談体制強化事業を行っています。
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■詳しくはこちら>>産婦人科オンライン

出典

厚生労働省HP
日本産婦人科学会HP
経済産業省『令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業』の委託先が決定しました』
経済産業省 遠隔健康相談事業

画像提供:PIXTA

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