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新型コロナウイルス対策特集
中日新聞LINKED〈発〉

オーバーシュートに備えて、病院は今。

今一度、正しい情報を確認しよう。

2020年4月1日|250 VIEW

いつか起きると考えられている、患者の爆発的な急増。その状況に備え、各都道府県では入院ベッドの確保に全力を注いでいます。

※出典: 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部 資料ほか

1 患者が爆発的に増大したときに必要な入院ベッド数は?

では、もしも国内でオーバーシュートが起きた場合、入院ベッドは確保できるのでしょうか。厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の流行シナリオを作成し、患者数がピークに達した場合の都道府県ごとに外来受診患者数、入院治療が必要な患者数、重症者数を計算するための数式を提示しています。
その数式に基づき、LINKEDが東海三県の医療需要のシナリオを試算しました。

◉各県の二次医療圏ごとのデータは、こちらをご覧ください。

2 急性期病床の50%前後が、コロナ患者で埋まる!?

このピーク予測で注目していただきたいのが、入院ベッド占拠率です。都道府県ごとの高度急性期・急性期病床数(2025年の必要病床数※)で計算したところ、入院ベッドの50%前後が、新型コロナウイルス感染症患者で埋まるという計算になりました。
厚労省の資料によると、新型コロナウイルス感染症患者は、一般病床、療養病床、精神病床または結核病床の病室に入院できるように定められています。しかし、重症化リスクを持つ肺炎患者に手厚い医療と看護を提供するには、高度急性期病床や急性期病床が必要になるだろうと考え、試算しました(高度急性期病床は命の危険がある重篤な患者に高度な医療を集中的に提供する病床、急性期病床は重症・中等症の患者に専門的な医療を提供する入院ベッドです)。

※高度急性期・急性期病床の数は、現状の病床数ではなく、2025年の必要病床数で試算しました。必要病床数とは、医療機能(高度急性期機能・急性期機能・回復期機能・慢性期機能)ごとに、医療需要(1日当たりの入院患者延べ数)を算出し、それを病床稼働率で割り戻して、病床の必要量を推計したものです。

3 感染症患者を受け入れる入院ベッドを増やしていく。

急性期病床の半分以上が新型コロナ感染症患者で埋まるようになれば、その他の疾患の患者も含め、大勢の人たちが必要な入院医療を受けられなくなってしまいます。
そこで今、多くの病院で新たな病床確保の取り組みが進められています。たとえば、休眠病床(稼働していない病床)に十分な感染予防対策を施して稼働に備えるなど、受け入れ病床の拡充を進めています。しかし、一部の病院関係者からは「ベッドは用意できても、医師や看護師が足りない」と懸念する声も聞こえてきます。

 

 

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