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ヨナハ総合病院

コロナ禍での運動不足をどう防ぐ? 今意識したい「筋活」とは。

コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:運動不足解消

2021年3月6日|1,938 VIEW

新型コロナウイルス感染症対策と向き合うなか、運動不足によって、身体的・精神的な健康を脅かす健康二次被害が心配されています。では手軽にできる運動不足解消には何があるのか。本記事では、今、必要な「筋活」を考えていきます。

運動不足の結果、筋力が低下。ロコモになる前に、筋活を意識する。

コロナ禍の今、多くの方が、「運動不足」を実感しているのではないでしょうか? 新型コロナウイルス対策として、令和2年4月に発令された緊急事態宣言を受け、さまざまな企業が自宅待機やテレワーク、在宅勤務を進めました。社会全般では、「自粛」「不要不急」「3密回避」といった言葉とともに、誰もがどんどん行動範囲を狭め、平日も休日も自宅にこもりがち。「新しい生活様式」を探りながら一年近く過ごすなか、運動不足に陥ったというケースが増えています。

こうした結果、今後は増えると懸念されているのが、ロコモです。ロコモとはロコモティブシンドロームの略称。加齢や運動不足といったことで筋肉や骨、関節の機能が落ち、移動能力が低下した状態をいいます。従来は高齢者中心でしたが、コロナ禍では、高齢者だけではなく、すべての世代に広がる可能性があるといわれています。コロナの時代。筋力低下を防ぐために、今からでも筋活を意識していきましょう。

1時間に1回くらい、少しだけ運動。
足踏み、かかと上げ、片足立ちからでも。

足踏み、かかと上げ、片足立ちからでも。

これをお読みの方のなかには、ウォーキングやランニングを続けている方もいらっしゃるでしょう。そうした方々は、自分のペースや時間、効果などはよくご存じのことと思います。そうではなく、普段からあまり積極的に運動しなかったという方は、急に「さあ、運動」といっても、なかなか難しいものですね。そうしたときは、少しでも体を動かすことを取り入れると良いようです。

●1時間に1回くらい体を動かす。

例えば、その場での足踏み、かかと上げ、片足立ち、スクワットなどから始めてみてはいかがでしょう。道具も必要ありません。また、ダンベル体操(ペットボトル使用でも可能)、ストレッチ、ラジオ体操などもあります。

大切なことは、TVを見る、仕事をするといったことを、長い時間ずっと続けるのではなく、1時間に1回くらい、少しだけ運動、というより、体を動かすようにすることです。そしてそれを毎日行う。時には内容を変えたり、順番を入れ替えたりするなど、全身を満遍なく動かすよう心がける。これが大切なポイントです。

高齢者は筋力低下が転倒に繋がる。日常の生活活動を活用して運動量アップ。

働き世代よりも運動不足が深刻になるのが、高齢者です。高齢者は、もともと運動量が少なくなっています。それがコロナ禍で家に閉じこもると、一層、筋力低下が進みます。筋力が低下すると、そのぶんリスクが高まる転倒。転倒によって骨折すると寝たきりになることもあり、要介護状態に繋がることもあります。そうならないためにも、毎日の生活に体を動かすことを取り入れましょう。

●孫と遊ぶ、抱き上げることも運動。

見直してほしいのが、日常の生活活動です。例えば、3密に注意し家の周りを散歩する、あるいは、家のなかを歩く。お孫さんと遊んだり、抱き上げる。植物への水やり、動物の世話など。ゆっくり行っても体を動かすことになります。少しずつ体が慣れてきたら、階段の昇り降り、お風呂の掃除、掃除機をかける、家具や家財道具の移動(家族と協力して)など、日々の生活のなかには、さまざまなことがあり、それを、体を動かすという視点で意識すれば、運動へと結びつきます。もちろん、最初は無理なくゆっくりと。徐々に量を増やす。スピードを速めるなど、従来の運動量と比べて慎重に行っていきます。

筋活とは、筋肉を減らさないようにする。あるいは、減ってしまった筋肉を元に戻すことです。それには、アスリートではなく普通の方の場合、必要なことは急激な運動ではなく、毎日少しずつ体を動かすことに尽きます。家のなかでも気軽にできることはいろいろあります。一つずつでも試してみませんか。

 

記事監修:医療法人 尚徳会 ヨナハ総合病院 リハビリテーション科 療法士長 伊藤隆浩

参考文献
■学校法人順天堂/順天堂大学 スポーツ健康科学部/大学院スポーツ健康科学研究科「JUNTENDO SPORTS
■日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモONLINE

 

画像提供:PIXTA

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