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ヨナハ総合病院

気になる子どものいびき――もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かも

コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:睡眠時無呼吸症候群

2021年3月5日|3,044 VIEW

風邪をひいたわけでもないのに子どもが大きないびきをかいている――そんなことがあったら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。よく眠れないために、日中ボーッとしていることが増えて集中力が低下し、注意力が散漫になります。とくに、子どもの場合は成長・発達への悪影響が心配です。子どものいびきが気になるときは、できるだけ早く医療機関を受診し、治療を受けることをおすすめします。

大きないびき、息苦しそうなようすに要注意!

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、大人だけの病気ではありません。患者の数パーセントは子どもだといわれています。
次のような症状があるときは、小児科医や睡眠の専門医を受診したほうがよいでしょう。

  • 大きないびきをかく
  • 寝ているときに息苦しそうにしている
  • 頻繁に寝返りを打ち、寝相が悪い
  • おねしょを繰り返す
  • 注意力が散漫で落ち着きがない
  • 日中ボーッとしていることが多い
  • 発育や学力に遅れが出ている

原因は、アデノイドや扁桃の肥大、アレルギー性鼻炎による鼻づまりなど

子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因としては、アデノイドや扁桃の肥大、鼻炎による鼻づまりなどがあげられます。

アデノイドは鼻とのどの間にある組織で、幼児期に大きくなり、それ以降は萎縮して、大人では表面から見てもほとんどわからなくなります。原因は不明ですが、幼児期にアデノイドが極端に大きくなることがあり、鼻からの空気の流れが妨げられて鼻呼吸ができなくなり、大きないびきをかくようになります。

扁桃は、のどの両側にある組織で、アデノイドと同様に子どものころに最も大きく、その後は小さくなっていきます。肥大すると、やはり鼻からの空気の流れが遮断され、大きないびきをかくようになります。
アレルギー性鼻炎がある場合も、鼻がつまって呼吸が苦しくなり、大きないびきの原因になります。

集中力・注意力の低下、学力・発達の遅れなどを招く

睡眠時無呼吸症候群があると、ぐっすりと眠れないため、日中ボーッとして集中力や注意力が低下し、学習や遊びに集中できなくなります。また、睡眠中に分泌される成長ホルモンが十分に分泌されなくなり、心身の成長・発達に障害が起こります。

アデノイド、扁桃の手術が第一選択の治療法

子どもの睡眠時無呼吸症候群は、アデノイドや扁桃の肥大が気道をふさいでしまっている状態なので、手術によって肥大したアデノイドを切除し、扁桃を摘出することが第一選択の治療法です。これによって、無呼吸状態は著しく改善し、いびきはかかなくなります。

手術は、アデノイドや扁桃が最も大きくなる3~6歳の時期に全身麻酔で行うことが多く、1週間程度の入院が必要です。
アレルギー性鼻炎が原因の場合は、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬などによって治療をします。最近の研究では、こうした薬物療法によって、肥大したアデノイドが縮小されるケースがあることもわかっています。

いずれにしても、子どもの睡眠時無呼吸症候群では、成長・発達にさまざまな悪影響が生じます。いびきなどの症状に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。

 

画像提供:PIXTA

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