健康診断の正しい受け方を知って健康管理に役立てよう
コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:健康診断
俗に言う「けんしん」には、「健診」と「検診」の2種類がありますが、違いをご存じですか?人間ドックを含めて、さまざまな種類がある健康診断。どのように受け、健康管理に役立てればよいのでしょうか。
「けんしん」には「健診」と「検診」がある
「健診(=健康診断)」は、年齢に応じた健康状態を把握し、病気の兆候がないかを調べる一般的な検査です。企業では労働安全衛生法に基づき年に一度の定期健康診断(一般健康診断)が義務付けられています。
また、企業に属していない人も含めて40〜74歳を対象に、生活習慣病の予防・早期発見を目的として実施する「特定健康診査」(いわゆるメタボ健診)もあります。75歳以上の人は「後期高齢者健康診査」の対象となります。
一方、「検診」は特定の病気を早期に発見して治療することを目的としたものです。がん検診がその代表例です。
人間ドックは全身を詳細に調べられる任意の健診
「人間ドック」も広い意味で健康診断の一部ですが、一般健診や特定健康診査に比べて検査項目が多く、医療機関によって、胃カメラや女性特有の病気に特化した検査などを付加する様々なオプションメニューが選べることが特徴です。脳ドックなど特定の臓器に特化した専門ドックも増えています。
人間ドックについては法的な義務はなく、個人が任意で受けるものなので費用は原則自費となりますが、費用を負担する企業も多いため、その場合は受けないと損と言えるかもしれません。
定期的な健康診断・検診を習慣化しよう
何らかの心配な症状がある場合に調べてみることが重要なのは言うまでもありませんが、特に気になる症状がなくても、年齢と共に体は少しずつ変化しています。年に一度、健康診断を受け、自分の体の状態を把握しておくことを習慣化しましょう。
また、一般的な健康診断の項目だけではわからないこともありますので、40歳を過ぎたら、がん検診を含めた人間ドックも定期的に受診するのが望ましいでしょう。これまでの健診結果や年齢、体の状態なども考慮し、自分に合った項目を選びましょう。
健康診断は受けたあとが大事
健康診断は健康な人が早期に異常を発見する目的で行うものです。受けっぱなしではなく、「受けたあとが大事」と心得ましょう。異常値があれば放置せず、必ず精密検査を受けることもとても重要ですし、基準値から外れていなかったとしても、結果をその後の生活改善に活かすことが大切です。
例えば、肥満・高血圧・脂質異常・高血糖などの動脈硬化のリスクは、いくつか重複することでより危険性が高まり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)などの生活習慣病へとつながります。特定健康診査を受けた後に、リスクに応じて生活改善が必要と思われる人には「特定保健指導」が勧められます。保健師のサポートのもとに生活習慣を改善するチャンスですから、こうした機会も逃さずに利用していくことが大切です。
また、健康診断は継続的に毎年受けることで、過去からどのように体が変化しているかを把握し、異常に早く気づくことができます。「一度受けたから大丈夫」「異常がなければよい」というものではなく、毎年受けて、より有効活用していきましょう。
定期的な健康診断をきちんと受けたうえで、結果を自分なりに振り返り、生活改善に活かすことで健康が保たれます。病気の早期発見だけでなく、予防のためにも健康診断を活かしましょう。
(参考文献・出典)
■全国健康保険協会ホームページ「どんな検査があるの?」
■日本医師会ホームページ「がん検診とは/検診?健診?」
記事監修:医療法人 尚徳会 ヨナハ総合病院 健診センター 副センター長 木村弘子
画像提供:PIXTA
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