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病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ
ヨナハ総合病院

家族が認知症?まずは認知症をよく知り、よりよい介護へ繋げよう。

コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:認知症

2021年3月6日|629 VIEW

我が国では、2025年には、認知症患者が700万人を超えるとされています。高齢者のいる家族は、不安や心配が高まりますが、認知症にも種類があり、症状や進行なども異なります。まずは認知症についてよく理解しましょう。それがよりよい介護、そして、家族のストレス軽減に繋がります。

認知症は大きく分けて3種類。原因、進行症状が異なります。

人は誰でも、年齢とともに脳が老化し、人の名前が思い出せない、もの覚えが悪くなるといったことがあります。それに対して、認知症は、何らかの原因があって、脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。

進行すると、理解力や判断力がなくなり、社会生活や日常生活が、正常に送れない状態になってきます。

こうした認知症にはいくつかの種類があり、原因や進行症状はさまざま。もし家族が「認知症?」と思ったら、ご本人を冷静に見つめてみましょう。

●アルツハイマー型認知症
記憶障害から始まり、見当識障害(時間や場所、季節などが分からない)へとゆっくり進んでいきます。認知症のなかで最も患者数が多く、特殊なタンパク質が脳に蓄積されることで起こります。このタンパク質は、加齢によって増えやすいため高齢者が発症することになり、また、男性より女性の方が多く発症します。なかには30代~50代でなる場合もあり、遺伝が関係しているといわれています。

●脳血管性認知症
糖尿病や高脂血病、高血圧など、生活習慣病を持つ人がなりやすく、男性に多いようです。ストレスや喫煙も危険因子だとされています。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死することで発症。原因となる病気によって異なりますが、比較的急に発症し、認知機能が段階的に進行することが多いといわれています。

●レビー小体型認知症
調子の良いとき・悪いときを繰り返しながら進行。ときに急速に症状が進むことがあります。男性がやや多く発症します。神経細胞に特殊なタンパク質のレビー小体ができ、これが脳の大脳皮質や脳幹に増えすぎると発症する認知症です。

健常者と認知症の中間段階、軽度認知障害(MCI)を見逃さない。

前述の説明において、家族に少しでも当てはまることがあったら、早急に専門医に相談、ご本人を受診させることが大切です。
ただ、ご本人はともかく、家族ご自身が診断を恐れるといった理由で、受診が遅くなることがあります。

なかでも軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の場合は、多少の問題(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力といった認知機能)が生じていても、日常生活に支障がないため、ついつい軽く見がちです。

しかし軽度認知障害は、健常者と認知症の中間にあたり、いわばグレーゾーンという段階。それを見落とすことなく、専門医に相談、受診し対策を行うことが、認知症予防、その後の進行にも影響するなど、とても重要です。

症状を抑えたり、進行を遅らせることで、生活の質を保ったり、上げたりすることは可能。

専門医に受診すると、主に症状の聞き取りや検査が行われます。検査には、記憶能力、問題解決能力、注意力、言語能力などを確かめる検査、あるいは、知能検査、血液検査などがあります。また、アルツハイマー型認知症かどうかを調べるには、頭部MRI・CT、PET(脳の糖代謝を調べる検査)、SPECT(脳の血流を調べる検査)などを行うこともあります。

認知症の種類がはっきりすると、治療が始まります。ただ、現時点では根治する治療法は、まだ誕生していません。しかし、症状を改善する治療は進歩を遂げており、症状を抑える、進行を遅らせるとことで、生活の質を保ったり、上げたりすることは可能とされています。

大切なことは、家族の認知症に対する理解です。兆候を見逃さない、早めに専門医に受診する、どのタイプの認知症かを知り正しく理解する。それがご本人はもちろん、その後の家族の生活にも大きな影響を与えます。

 

記事監修:医療法人 尚徳会 ヨナハ総合病院 認知症看護認定看護師 近藤佳子

 

画像提供:PIXTA

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