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西尾市民病院

ほとんどの「不整脈」は、しっかり治すことができる。

コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:不整脈

2021年3月5日|1,386 VIEW

健康診断などで不整脈が見つかったら、不安になりますね。でも、不整脈の治療法はめざましく進歩し、今では治療を要する不整脈の多くが治療可能になってきています。今回は不整脈の治療について見ていきたいと思います。

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薬で症状を抑える「抗不整脈薬」。

頻脈性不整脈(脈拍数が異常に増加する・不規則になる不整脈)の発生を抑制する目的、あるいは頻脈発作を停止させる目的で「抗不整脈薬」が用いられる事があります。抗不整脈薬は、心臓の異常な電気信号の発生を抑える薬です。

不整脈の種類に応じてさまざまな薬が処方されます。近年は良い薬が開発されており、高い効果が期待できるケースもありますが、効果が限定的であるケースも少なくはありません。また重篤な副作用が生じる事もあるので、処方には専門的な知識を要します。

徐脈に対して有効な「pacemaker(ペースメーカー)」。

徐脈(脈拍数が異常に減少する不整脈)に対しては、「pacemaker(ペースメーカー)」が有効です(日本循環器学会のガイドライン上は「ペースメーカ」となっていますが、ここでは「ペースメーカー」で統一します)。

ペースメーカーは遅くなった自分の脈(電気の流れ)の代わりに、心臓の内側から電気刺激を与えて心臓を強制的に収縮させる装置です。これを体内に取りつけることで、脈の遅い人も、健康な生活ができるようになります。

ペースメーカーを取りつける手術は、局所麻酔で簡単に行うことができます。肩の皮膚の下に電気刺激を発する小さな本体(電池)と、その刺激を心臓に伝えるリード(電線)を入れれば手術は完了します。

突然死を予防する「ICD(植え込み型除細動器)」と「CRT-D(除細動機能付き両室ペースメーカー)」。

心室頻拍や心室細動といった命に関わる重症な不整脈を経験した人、あるいはその可能性が高いと予測される人には、ICD(植え込み型除細動器)やCRT-D(除細動機能付き両室ペースメーカー)が用いられます。

ICDやCRT-Dは常に心拍数を監視し、心拍数があらかじめ設定された基準を上回ると、状況に応じた治療が自動的に選択されます。
これらの機器は、ペースメーカーと同じようなサイズで、植え込む手術の方法も同様です。小さな機械を体内に埋め込むだけで、突然死を予防することができます。

頻脈や心房細動には「カテーテルアブレーション」。

頻脈や心房細動では、抗不整脈薬に加え、「カテーテルアブレーション」という治療法があります。アブレーション(ablation)は「取り除くこと、切除すること」という意味。1982年、アメリカで最初に用いられました。その後、日本でも急速に普及し、現在ではスタンダードな治療法として定着しています。

治療法としては、まず足の付け根などの太い血管からカテーテル(細い管)を入れて、心臓まで到達させます。次にカテーテルの先から高周波電流を流し、頻脈の原因になっている心臓の筋肉の一部を焼くことによって不整脈を封じ込めます。

手術することなく、根本的に治療できる。

カテーテルアブレーションの利点は、体への負担が少ないこと。以前は胸を開いて手術していましたが、カテーテルを用いる治療であれば、開胸手術に伴う苦痛もなく、短い入院期間で健康を取り戻せます。また、根本的に治療できることも、大きな利点です。治療が成功すれば、長期間にわたって薬を飲み続けたり、頻繁に通院する必要がなくなります。

このように、不整脈のほとんどは専門的な治療を受ければ、治すことができます。動悸や息切れなど不整脈が疑われる症状がある場合、心配し過ぎることなく、まずは循環器の専門医に相談しましょう。

 

記事監修:西尾市民病院 循環器内科 部長 湯淺大祐

 

画像提供:PIXTA

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