コロナ禍でも必要な医療は受けよう――持病のある人の自己管理術
コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:コロナ禍での受診
高血圧や糖尿病などの持病があるのに、新型コロナの感染を恐れて受診を控えている人が少なくないようです。「薬はなくなってしまったけれど、今のところ体調は安定しているから」と持病の管理を怠ると、病状が悪化して、心筋梗塞や脳卒中などを起こす危険性があります。コロナ禍にあっても必要な医療は受けることが重要です。
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病院の受診が怖いと思っていませんか?
病院には、発熱や咳などの症状を訴えてくる人が多いため、新型コロナウイルスに感染するリスクが高いと思い、受診を控えている人が少なくないようです。高血圧や糖尿病で定期的な受診が必要なのに、「病院の受診は怖い」という思いから受診を控え、持病の薬を中断してしまったケースも見られます。
しかし、本当に怖いのは、自己判断で必要な治療を中断してしまうことです。その結果、持病が悪化してしまい、心筋梗塞や脳卒中などを起こす恐れもあります。そうなると、新型コロナウイルスにも対抗することができません。感染のリスクよりも、持病の悪化によるリスクのほうが大きい場合もあるのです。
安定していると思っていても、自己判断による受診控え、治療の中断は禁物です。
持病がある人こそ、普段の感染対策、自己管理が大切です
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある場合は、新型コロナウイルスに感染したときに重症化しやすいといわれます。その意味で、持病がある人は、マスク、手洗い、三密の回避という基本の感染対策に加えて、ふだんの自己管理が重要です。毎日、体温と血圧を測り、体調の変化をチェックしましょう。
不要不急の外出は控えなければなりませんが、屋外での運動や散歩は、緊急事態宣言が出されていても制限はされません。適度に体を動かし、運動不足にならないようにすることが、体調の維持に必要です。
自宅にこもる生活では、食事が保存食品に偏り、高カロリー、塩分の過剰摂取になりがちです。食材や栄養素が偏らないように注意しましょう。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある人こそ、ふだんの感染対策、自己管理が重要なのです。
主治医による定期的なチェックが必要。オンライン診療の利用も一つの方法
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患は、病状の変化に応じて薬の種類や量を調節する必要があります。そのためには、主治医による定期的なチェックが不可欠です。家庭での血圧測定、自己血糖測定などで状態の変化を観察するとともに、定期的な受診によって持病の悪化を防ぐことができるのです。
もし、どうしても医療機関へ行くことが不安だという場合は、オンライン診療などを利用することもできます。オンライン診療、電話診療、FAXでの処方せんの送信、患者が少ない時間帯での受診など、主治医と相談することをおすすめします。
記事監修:みよし市民病院 院長 伊藤 治
参考資料
■厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について」
■日本内分泌学会「内分泌代謝疾患で治療中の患者さんへ 新型コロナウイルス(COVID-19)への対応について」
■日本高血圧学会「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言下で特に高血圧患者の皆様に知っておいていただきたいこと」
画像提供:PIXTA
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