動脈硬化後遺症の基礎知識
動脈硬化の放置が様々な臓器に後遺症を残す?
動脈硬化は心疾患や脳血管疾患を引き起こすことで広く知られていますが、それに加えてこれらの疾患が様々な臓器へ後遺症を残していく可能性があります。
今回は「動脈硬化後遺症」について解説していきます。
動脈硬化が引き起こす様々な病気
まず大前提として、動脈硬化は読んで字の如く「動脈(血管)が硬くなってしまう病気」です。
この動脈硬化自体には特徴的な症状がなく、心疾患や脳血管疾患を引き起こす原因になっていることが知られています。
これらの病気はそもそもの死亡率が高く後遺症を残す可能性もありますが、病気の早期発見・早期治療が命を救うので、特徴をしっかりおさえておくとよいでしょう。
心臓の病気
心臓の血管(冠動脈)に動脈硬化が起こると心筋梗塞や狭心症などを引き起こすことがあります。
血の通り道が狭くなったり、詰まったりすることが原因でおこる心臓病を虚血性心疾患と呼びますが、心筋梗塞や狭心症はこの虚血性心疾患の中に含まれています。
脳の病気
脳の血管に動脈硬化が起こるといわゆる脳卒中を引き起こすことがあります。
近年では脳血管疾患とよばれ、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの総称ですが、このうち脳梗塞と脳出血は動脈硬化がきっかけになることがあるようです。
腎臓の病気
腎臓の血管に動脈硬化が起こると腎硬化症を引き起こすことがあります。 この病気では腎臓を流れる血が減少し、腎機能の低下を引き起こします。
下肢の病気
下肢の血管に動脈硬化が起こると閉塞性動脈硬化症という病気を引き起こすことがあります。
この病気では下肢のしびれや痛みなどの症状が現れ、「少し歩行すると痛みが発生し、少し休んで再度歩き出す」という間欠性跛行が目立つようになります。
さらに血液が行き届かなくなると、足に壊死が起こり始めます。
動脈硬化が引き起こす病気の後遺症について
上にあげたいくつかの病気は、これまで経験のない方でも知っている病気が多かったのではないでしょうか。
それぞれ後遺症を残す可能性があります。
心臓病の後遺症
心筋梗塞や狭心症などの後では、心臓の一部の機能が停止してしまうことがあります。
特に心筋梗塞では、発症数週間〜2ヶ月後までに発熱・胸痛・肺炎などを起こすことがあります。
脳の病気の後遺症
脳はさまざまな機能が集約されていることから、損傷の場所により症状が異なります。
脳血管疾患での後遺症として有名なのは、片麻痺・半身麻痺と言われるものです。
手足が痺れたり、顔の筋肉が動かしにくくなる運動麻痺や温感などが感じにくくなる感覚麻痺が生じることがあります。
運動機能に障がいを受けることで飲み込みにくさや視野が狭くなる感覚を覚える方もいます。
また別の箇所での損傷の場合、認知症のような症状になる高次脳機能障害・文字の理解や意思疎通が難しくなる失語症を引き起こすことがあります。
腎臓病の後遺症
腎臓はいわゆる沈黙の臓器ですから、知らず知らずのうちに進行してしまっている場合があります。
腎硬化症が進行すると慢性腎不全になる恐れがあり、腎機能の低下の程度によっては透析が必要になる可能性があります。
動脈硬化後遺症の改善に重要なポイント
リハビリテーション
動脈硬化からここまで記載した病気まで発展し後遺症が残った場合、入院と病院内でのリハビリは余儀なくされると思います。
場合によっては、一度転院を挟み回復期病院である程度リハビリを受けることができますが、退院後に回復した後も継続した運動をしないと再び機能低下してしまう可能性があります。
そのため、退院後もリハビリ可能なクリニックや介護保険を利用してリハビリを継続することをお勧めします。
生活習慣を見直す
脳梗塞や心筋梗塞は、一度起きると再発する可能性があります。
特に、脳梗塞は発症後10年以内に50%の人が再発すると言われています。
動脈硬化や、それによって引き起こされる後遺症をこれ以上進行させないために、かかりつけ医との相談の上、コントロールしていくことが大切です。
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