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骨折|骨・関節・筋肉

骨折の基礎知識

高齢になるにつれ、リスクが高まる骨折

2022年3月26日|731 VIEW

骨折は、老若男女だれでも起こりえるものです。
転倒や疲労によって起こることがありますが、年齢を重ねることにより、別の病気が起因となり発生することもあります。
今回は「骨折」について解説していきます。

骨折の特徴的な症状は?

骨折の症状は、みなさんご存じかと思いますが、「骨折部分の痛み」が主になります。
とはいえ骨折自体にいくつか種類があるため、その発生メカニズムや痛み方に若干の違いがあります。

通常の骨折

いわゆる骨が折れている状態(完全骨折)・ひびが入っている状態(不完全骨折)をいいます。
転倒や事故など骨に大きな力がかかった際に発生するもので、日常の様々な場所に原因が潜んでいます。
症状としては患部の激しい痛み・腫れ・内出血・骨折部分が動く音を感じることがあります。

疲労骨折

この骨折は、普段スポーツをしていると聞き覚えのある方もいるのではないでしょうか? 通常の骨折は一度に大きな力がかかることで発生するのに対し、疲労骨折は同一部分への継続的な圧力がかかることで発生します。
疲労骨折では、運動時に痛みが生じ、休憩するとおさまることがあります。
しかし放置していると次第に痛みや痛みの現れる周期が強くなり、運動に関係なく痛みが発生するようになっていきます。

病的骨折

通常の骨折や疲労骨折は、骨に負荷が掛かることで生じますが、がんの骨転移などにより骨が弱っていたり一部が溶けてしまっていたりすると、弱い力でも骨折してしまうことがあります。
痛みは、通常の骨折と同様に激しい痛みや腫れが現れます。

圧迫骨折

圧迫骨折は高齢者で特に多く、背骨が骨折している状態(脊椎圧迫骨折)をさすことが多いです。激しい運動や事故を避けて生きていても、加齢と共に骨はもろくなっていきます。
そのため、高齢者が尻もちをついたり、どこかに足をぶつけたりするだけで、骨が折れてしまうことがあります。

骨折が起こってしまう原因とは?

前述したとおり、骨折自体は誰でも起こりえる可能性がありますが、高齢になればなるほど骨がもろくなり、単なる転倒だけでも骨折してしまう場面が増えてきます。
そのため、年齢により発生原因が異なります。

若年層(20~30代)

20〜30代での骨折は、主に事故・スポーツでの外傷・腕や足の酷使が原因です。
どうしようもない場面はありますが、普段から事故に気を付けた生活・運転をする、無理な運動はしないなどのルールを設けておくことが大切です。

中年層(30~60代)

30代までに比べ、運動をする機会が減る年齢層です。
特に50代以降は骨量が急激に減少するといわれており、女性では閉経後に女性ホルモンが減少することから、骨粗しょう症による圧迫骨折が増えます。

高年層(60代以降)

20〜30代の筋力を100とすると、60代以降の筋力は50〜60程度にまで減少してしまうことがわかっています。
そのため、今まではなんともなかった段差で転倒してしまったり、暗いところや寒いところでの歩行による骨折が増えます。

普段から骨折を防ぐためには?

若年層での骨折リスクは無理のない運動を心がける等、日常生活でのルール決めが大切です。
将来の骨折リスクを減らすために、日常生活から見直すことが大事です。

食生活の見直し

古くから、「骨を強くするにはカルシウムを摂取するのがいい」といわれています。 ですが、実際にはカルシウムだけでなく吸収を助けるビタミンDや骨の生成を助けるビタミンKなどさまざまな要素が必要になります。
ビタミンDを多く含む食材はきくらげ・サケ・さんまなど、ビタミンKを多く含むのは納豆や緑黄色野菜です。カルシウムを含む乳製品や小魚にあわせ、これらの食品を取り入れることを意識しましょう。

お酒とタバコを減らす

これまでに、お酒とタバコは他にもさまざまなリスクが報告されていますが、喫煙が胃腸の働きをおさえることでカルシウムの吸収を妨げてしまいます。 またお酒も、利尿作用によりカルシウムが排出されてしまう可能性があります。
そのため、飲酒・喫煙の多い方は減らす、もしくは禁煙・禁酒を目指しましょう。


参考文献・出典など
■MSDマニュアル足の疲労骨折
■ジョンソンエンドジョンソン骨折手術
■全薬工業株式会社転倒による骨折を予防
■エーザイ骨折で寝たきりにならないために
■森田薬品工業骨とカルシウムの関係

画像提供:PIXTA

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