脳腫瘍の基礎知識
言葉に詰まったり頭痛が続いたら、脳腫瘍の危険なサインかも!?
脳腫瘍とは頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。脳に腫瘍が発生して大きくなると、腫瘍の周りには脳浮腫という脳のむくみが生じます。この腫瘍や脳浮腫によって影響を受けて、脳が正常な機能を果たせなくなったのが脳腫瘍です。脳には複数の部位があるので、腫瘍ができた場所によって症状も異なります。今回は「脳腫瘍」について解説していきます。 スポンサーリンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
脳腫瘍の特徴的な症状は?
頭蓋骨の内側にできた腫瘍を脳腫瘍と呼んでいます。脳腫瘍は「原発性脳腫瘍」と「転移性脳腫瘍」の2つに分けることができます。
原発性脳腫瘍
脳の細胞や神経、脳を包む膜から発生した腫瘍になりますが、原因は特定できないことがほとんどです。検査を通して150以上に分類されるほか、良性腫瘍と悪性腫瘍にも大別されます。良性腫瘍と悪性腫瘍では発症する部位が異なり、代表的なものとして良性腫瘍は髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、悪性腫瘍は神経膠腫(グリオーマ)、中枢神経系原発悪性リンパ腫などがあります。良性腫瘍は増殖の速度が遅く、正常な組織との境目もはっきりしているので、全摘出すれば再発することはほとんどありません。
転移性脳腫瘍
肺や大腸など、ほかの臓器で生じたがんが血液の流れによって脳に転移したものです。
症状
症状については「頭蓋内圧亢進症状」と「局所症状(巣症状)」に分けられます。
腫瘍によって頭蓋骨内の圧力が高くなって生じる、頭痛や吐き気、意識障害などの症状を頭蓋内圧亢進症状と呼びます。
一方、局所症状(巣症状)は、腫瘍や脳浮腫によってその部位の機能が障害された状態です。脳は前頭葉、頭頂葉、側頭葉などに分けられ、それぞれが異なる機能をもっていますが、例えば、頭頂葉は痛さや冷たさなどの触覚認知など、側頭葉は聴覚認知などを担っています。前頭葉はさまざまな機能を有し、注意・思考・感情のコントロールや、物事を整理・処理・実行する機能などを担っています。つまり、局所症状(巣症状)は腫瘍が存在する場所に応じた症状が見られます。
局所症状(巣症状)の例
・前頭葉の場合
言葉をうまく話せなくなる運動性失語や、運動(片)麻痺、性格変化、自発性変化など
・側頭葉の場合
言葉を聞いて理解することが難しくなる感覚性失語や、実際にはない臭いを感じる幻臭など
・頭頂葉の場合
読み書きができなくなる、計算ができなくなる失算、左右を判断できなくなるなど
・後頭葉の場合
腫瘍と逆側の視野が欠ける同名半盲
・視交叉・視床下部の場合
視力や視野の障害、尿の濃度が調整されなくなる尿崩症、肥満など
・視床
意識の障害、運動(片)麻痺、手足のしびれなど
・脳幹
運動(顔・四肢)麻痺、感覚障害、顔面神経麻痺など
・小脳
細かい動きができない協調運動障害、ふらつき、めまいなど
・脳神経
目の動きが悪くなり物が二重に見える、顔のしびれや感覚低下など
脳腫瘍を引き起こす要因は?
遺伝子の変異など疑われている要因はありますが、原因はほとんど明らかになっていません。環境やストレスなど特定のことが原因で脳腫瘍になるわけではありません。ただし、日頃からがんを遠ざける生活を送ることは予防につながると言えるでしょう。
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脳腫瘍を予防するための対応策は?
がんは生活習慣病と言われているように、「禁酒」「節酒」「バランスのとれた食生活」といった日頃からの心がけでリスクを軽減することができます。
また、定期的に脳ドックを受診することで脳腫瘍の早期発見につなげましょう。
一方で朝起きたら頭がひどく痛む、食事をしていなくても吐き気もなく嘔吐してしまった、視力がおかしい、けいれん発作が大人になって初めて起きたなどの症状が見られた場合は脳腫瘍の可能性があるため、脳神経外科や神経内科を早期に受診しましょう。
良性腫瘍・悪性腫瘍に関わらず同じような症状が出るため、悪性腫瘍である可能性を考えて早期に受診することが重要です。
参考文献・出典など
■国立がん研究センター脳腫瘍
■病院検索ⅰタウン脳腫瘍
■NHK健康チャンネル
画像提供:PIXTA
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