動脈硬化の基礎知識
さまざまな病気の原因になる、動脈硬化
動脈硬化自体は生命の危機に直結する病気ではありませんが、死因の上位を占める「心疾患」や「脳血管疾患」を引き起こす原因となることがあり、実に5人に1人は動脈硬化に起因する病気で死亡しています。
今回は「動脈硬化」について解説していきます。
動脈硬化の特徴的な症状は?
動脈硬化は、読んで字の如く「動脈(血管)が硬くなってしまう病気」です。
血中悪玉コレステロールが血管内部に壁を作り、白血球の仲間がこの壁を排除しようとするのですが、その残骸がかたまりを作り動脈硬化に発展します。
また、動脈硬化は沈黙の病気という異名をもつほど静かに進行していき、気づいた時には「動脈硬化が進んでしまっている状態」ということも少なくありません。
動脈硬化で主に症状が現れるのは脳・心臓・足の三ヶ所だと言われています。
脳への症状
脳血管で動脈硬化が起きると、脳に血が周りにくくなるためめまいや頭痛・手足の力が入りにくくなったりしびれたりする場合があります。
いわゆる脳血管疾患の一種である脳梗塞の原因となります。
心臓への症状
心臓付近の血管で動脈硬化が起きると、心臓に血が周りにくくなるため階段の昇り降りがつらくなったり、疲れやすくなったり、息切れしやすくなったりします。
硬化の場所によって、大動脈瘤・狭心症・心筋梗塞の原因となることがあります。
足への症状
足の血管で動脈硬化が起きると、下半身に血が周りにくくなるため足先が冷えたり、太ももやふくらはぎに痛みを感じたりするようになります。
場合によっては血行障害・腎不全などの原因となります。
動脈硬化が起こってしまう原因とは?
動脈硬化の原因はまだ完全にはわかっていませんが、動脈硬化自体は10代からはじまることや40代以降症状が現れることが明らかになっています。
加齢によって誰でも起こり得る病気ですが、普段の生活習慣も影響しているとされています。
動脈硬化が進んだり、前述した別の病気に発展する原因はまとめて「危険因子」と呼ばれています。
「危険因子」は、①高血圧・②脂質異常症・③糖尿病・④加齢(男性45歳以上、女性閉経後)・⑤喫煙・⑥肥満・⑦運動不足・⑧偏食・⑨ストレス・⑩嗜好品(アルコール・珈琲・紅茶)の10項目です。
これらは、いわゆる生活習慣病および生活習慣病を引き起こす原因であるため、動脈硬化だけでなく他のさまざまな病気を併発する可能性があることは言うまでもありません。
動脈硬化の予防・早期発見のために、おさえておくべきポイント
動脈硬化は加齢とともに進行してしまうものではありますが、生活習慣が影響していることから、生活習慣を見直すことで結果として動脈硬化の予防をすることができます。
前述した「危険因子」で④の加齢以外はご自身の努力次第で軽減・取り除くことが可能で、特に適度な運動やバランスの良い食事を食事を心がけるだけでも危険因子を取り除くポイントになります。
例えばですが、厚生労働省では「1日平均1万歩」「1回30分以上の息がはずむ程度の運動を週に2回以上」を成人における健康維持のための目標値としています。
だいたい、10分で1000歩程度と言われているので、いきなり「1日1万歩」を実現しようとすると毎日1時間以上を割かなければなりません。
無理のない範囲で、かつ段階的でかまわないので、「帰宅時に最寄りから1つ先の駅まで歩いて乗車する」など、日常生活から+αで歩く距離を増やすことから始めてみましょう。
この適度な運動が、運動不足や肥満の解消にもつながり、結果として動脈硬化の進行を抑えることができます。
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