心房中隔欠損症の基礎知識
【心房中隔欠損症(ASD)とはどんな病気?】生まれつき心臓の壁に穴があいている病気。
心房中隔欠損症は、先天性心疾患の代表的な疾患の一つ。ただし、小さい頃はほとんど無症状で、気づきにくい病気です。
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心房中隔欠損症はどんな病気?
心臓には4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)があり、心房で血液を受け取り、心室から血液を送り出すポンプの役割をしています。
心房中隔欠損症(ASD)は、この4つの部屋のうち、右心房と左心房を隔てている壁(心房中隔)に穴があいて、欠損ができている状態です。穴が開いているので、すでに肺で酸素を取り込んだ血液の一部がその穴を通って再び肺に戻ってしまいます。なお、右心室と左心室の間に穴があいている病気を「心室中隔欠損症(VSD)」といいます。
胎児のときにあいていた穴がそのまま残ってしまう。
左右の心房を隔てる壁の穴は、胎児のときには誰でも持っています。お腹の中の赤ちゃんは、へその緒があるために自分で息をする必要はなく、肺はまだ機能していません。
酸素を含んだ血液はへその緒を通して心房中隔の穴を通り、赤ちゃん自身の体に流れるようになっています。この穴は「卵円孔(らんえんこう)」と呼ばれ、通常は生まれて数時間後には自然に血液の流れがなくなり、生後2〜3日で自然閉鎖します。この穴があいたまま残ってしまうのが、心房中隔欠損症です。
心房中隔欠損は、卵円孔以外の場所に穴があいている場合もあり、穴の場所や大きさによって、病気の程度、症状出現の時期、治療の必要性などが異なります。
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心房中隔欠損症になると、どんな症状がでるの?
心房中隔欠損症の多くは、ほとんど無症状です。心房中隔の穴を通る血流が心臓や肺に負担をかけますが、少々のことでは症状となって現れません。
ただ、成長するにつれ、動悸や息切れ、不整脈(心房細動)などの症状が現れ、治療が必要になることもあります。また、治療をしないまま成人期、中年期になり、さらに病状が進行すると、いろいろな症状が出てきます。女性の場合は妊娠・出産を機に発症することもあります。
- 動悸や息切れ
- 易疲労性(いひろうせい):通常より疲れやすい体質
- 胸痛
- 多呼吸
- 寝汗
- 心不全 心房中隔欠損症になると、肺動脈によけいに血液が流れる状態に対応するため、右心房と右心室の部屋が大きくなります。長期にわたって拡大が進むと、風船のゴムがのびきった状態となり、心不全(心臓のポンプ機能がうまく働かない状態)になります。
- 不整脈 心臓の壁の筋肉が引き延ばされると。心臓の壁を通っている脈の信号伝達の異常が生まれ、不整脈(脈の乱れ)になります。代表的な不整脈は、心房細動(心房が小刻みに動き、けいれんするような病状)です。
- 肺高血圧症 心房中隔欠損症になると、余分な血液の流れが生じます。この状態が長く続くと、心臓から肺に血液を送るための血管(肺動脈)の血圧が高くなる「肺高血圧症」になります。
参考文献・出典など
■日本心臓財団「子どもの心臓病とは」
画像提供:PIXTA
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