【私たちの得意領域】耳鼻咽喉科
ヨナハのCURE:診療科紹介
今回のテーマ 睡眠時無呼吸症候群の診断・治療 中等症・重症の場合は手術治療も行っています。
高齢者や肥満の方に多い睡眠時無呼吸症候群。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返し呼吸が停止してしまう病気です。主な原因は、息の通り道である喉が狭くなる「閉塞型」です。加齢に伴い筋力が低下したり、肥満により喉の周りに脂肪がつくことにより充分な気道を確保できなくなります。また、扁桃腺やアデノイド(のどや鼻の奥の扁桃組織)が大きい小児にも見られます。この他、呼吸のリズムを調整する脳の異常が原因で起こる「中枢型」やその「混合型」もあります。
診断では、睡眠やイビキの状態を詳しくお聞きしてから、鼻と喉の境目、舌のつけ根などの気道を診て、狭くなっている場所を探ります。さらに必要に応じて、1泊入院していただいて、睡眠中の脳波、呼吸、酸素、体位などを測定するポリソムノグラフィ(PSG)検査も行います。こうした検査から、原因や重症度を正しく診断します。
根本的に治す手術治療にも力を注いでいます。
治療は、重症度によってさまざまな方法があります。軽症の場合は、歯科装具であるマウスピースや側臥位臥床を勧めます。マウスピースは噛んで、下顎を前に出して寝ることで、無呼吸の症状を和らげることができます。側臥位臥床は腰にソフトボールなどを装着して上向きで寝られないようにします(最も安価な方法です)。AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の方には、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)を提案しています。これは、寝るときに鼻マスクをして、機械で圧力をかけた空気を鼻から送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。
CPAP治療を適用できない場合でも、7割以上は手術で根本的に治すことができます。最も一般的な手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭(こうがいすいなんこうがいいんとう)形成術やその変法です。これは、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除して、気道を広げるもの。当院ではこれまで豊富な実績を重ねており、75%~80%弱という高い有効率を認めています。
ドクターからのメッセージ
難治性の「好酸球性副鼻腔炎」に対しても適切な治療で効果を上げています。
近年、増えている病気として、睡眠時無呼吸症候群のほかに、「好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)」という難病があります。これはいわゆるアレルギー要因の関与した厄介な病気で、鼻の中に多発性の鼻茸(ポリープ)ができ、再発しやすく嗅覚障害を起こすものです。以前は、手術をしてもすぐ再発していましたが、今は医学の進歩により治療法がかなり確立しています。軽症であれば、薬である程度封じ込められますし、中等症以上であれば、内視鏡を用いた手術を行います。手術でポリープや粘り気のある鼻汁を除去し、その後、ステロイド内服などを投与することで良い状態を長く維持できます。
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