【病気のおはなし】睡眠時無呼吸症候群
西尾市民病院のCare
単に呼吸が止まるだけではなく、脳・血管・心臓への負担が大きい病気。でも、抜け出す治療があります。
01 まずは自宅で観察。無呼吸の回数を数えてみましょう。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に何回も呼吸が止まる病気。症状には、大きないびき、何度も夜間に目が覚める、起床時の頭痛、集中力の低下などがあります。この病気の注意点は、単に呼吸が止まるだけではなく、脳や血管、心臓に負担をかけること。脳卒中、高血圧、心不全などを引き起こすリスクが高くなります。
睡眠時無呼吸症候群には2タイプあり、一つが、上気道の閉塞による閉塞性睡眠時無呼吸。肥満や、生活習慣病患者さんに多く見られます。もう一つは、呼吸中枢に障害が見られる中枢性無呼吸。8割~9割が前者のタイプです。
症状が気になる場合は、飲酒せず、極端に疲労してない日を選び、睡眠中、10秒以上の無呼吸が何回あるかご家族の協力も得て観察しましょう(動画撮影でも可)。1時間で5回以上なら受診をお勧めします。10~20回以上なら必ず受診してください。
02 眠るとき、CPAP(鼻マスク)を装着するだけの療法。
受診すると、まず喉や鼻に形態異常や腫瘍がないことを確認します。ある場合は手術、ない場合は自宅でできるスクリーニング検査となり、酸素濃度の低下、酸素飽和度の測定をします。この検査で無呼吸低呼吸指数が40以上なら、すぐに機器による治療を開始。20~40なら一泊入院での終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、睡眠中の脳波や呼吸状態、血液中の酸素状態などを調べます。
無呼吸低呼吸指数が20以上での機器による治療は、持続的陽圧呼吸療法です。眠るときにCPAP(鼻マスク)を装着するため、最初は気になるかもしれませんが、すぐに慣れて、睡眠時の無呼吸が無くなっていきます。最も合併症が少なく有効な治療方法です。
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良質な睡眠で過食を防ぎ、体重を減らすことが大切です。
人は、疲労が大きくなると、生命の危機を感じることが、遺伝子に組み込まれています。危険を感じた脳は、しっかりと食べなくてはと考え、疲れたときほど食べ過ぎる。それが肥満に繋がり頸部に脂肪が多くなると、閉塞性睡眠時無呼吸を引き起こすことになります。上記でご紹介した持続的陽圧呼吸療法は、睡眠時の無呼吸を起こさない有効な治療法です。CPAPを装着することで睡眠時無呼吸症が起きず、良質な睡眠が得られた結果、翌日は疲労が少なく、食べ過ぎない。この繰り返しにより体重が減り、睡眠時無呼吸症から抜け出すことができるのです。脳や血管、心臓の病気を防ぐためにも、夜のいびきがすごいと言われたら、ぜひ耳鼻咽喉科を受診してください。
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