【検査・診断を学ぼう】脳血流シンチグラフィ
岡崎市民病院のCure
脳血流シンチグラフィとは?
脳の血流を評価して、脳の機能を推定。 場所や程度を診つけ、正しい診断と治療に結びつけます。
形態ではなく、機能を診る検査。脳血流のわずかな変化を画像化。
シンチグラフィ検査は、ごく微量の放射性医薬品を静脈注射し、体内で放出する放射線を、体外から特別なカメラ装置で測定、薬の分布を画像化していく検査です。今回ご紹介する脳血流をはじめ、骨や心筋血流、肺血流などを診るのに用いられます。
シンチグラフィ検査の特徴は、CT検査やMRI検査のように形態を診るのではなく、機能を診ることにあります。脳血流の場合、脳は血流によって運ばれたブドウ糖や酸素を使って活動していますが、正常に機能するには、充分な血流が必要になります。すなわち、血流の異常が脳の機能を反映する可能性があるということです。
脳血流シンチグラフィは、脳血流のわずかな変化を診つけるのに有効な検査です。薬に含まれる放射線は人体に害を及ぼす量ではなく、副作用もごくまれです。
認知症の正しい診断、正しい治療に力を発揮。
認知症には、アルツハイマー型認知症をはじめ、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症等があります。左記において、「血流の異常が脳の機能を反映する」と述べましたが、認知症の種類によって、血流に異常が起こる場所が異なります。すなわち、脳血流シンチグラフィは、どこの血流が落ちているか、さらに、どれくらい落ちているかで、認知症の種類、さらには、進行の程度がわかるというものです。
一方、認知症の発症が懸念され検査を受けても、認知症ではなく、うつ病やせん妄の可能性が高いといった診断に結びつくこともあります。認知症はもちろん、どの病気でも、診断が異なれば治療も異なります。脳血流シンチグラフィは、正しい治療に結びつける、正しい診断に有益な情報を提供する検査といえます。
Doctor’s message
認知症は、脳の萎縮の前に血流が低下。早期発見は、その後の生活にも影響。
認知症で起こる脳の萎縮は、MRI検査でわかります。しかし、萎縮の前に、血流が低下し、それによって萎縮が始まるといわれています。MRI検査で萎縮が出なくても、その前段階の血流の低下が、脳血流シンチグラフィではわかることがあります。特に若年性アルツハイマーが懸念され、少し兆候がある場合、ぜひとも脳血流シンチグラフィをお受けいただきたいと思います。
ただこの検査は、検査途中で止めることができません。というのは、使用する薬から出ているエネルギーが落ちたり、脳に集まっている時間が限られているからです。従って、30分程度、じっと横になっていただくことだけご注意ください。
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