どうなっている?日本の新型コロナウイルス感染症の10の現状①
パート1
現在、日本の新型コロナウイルスの流行状態や政府の対応は流動的です。
新型コロナウイルス感染症について、2020年12月23日までに感染状況やその他にわかったことを、厚生労働省の発表の「新型コロナウイルス感染症の”今”についての10の知識」をもとに紹介します。
パート1では、新型コロナウイルス感染症と診断された人の数、重症化や死亡の割合、海外との比較、他人に感染させやすい時期について紹介します。パート2では、新型コロナウイルス感染症の診断後他人に感染させる割合、感染を広げる5つの場面、診断のための検査、治療、ワクチンについて紹介します。
19万6,000人が新型コロナウイルス感染症と診断されている(12月20日現在)
2020年10月27日現在までに9万6,000人(人口の0.02%)の人が新型コロナウイルス感染症と診断を受けています。年代別では20代が最も多く、20代人口の約0.2%となっています。
しかし、これらのデータは日々更新され、最多を更新しています。
11月29日の厚生労働省のデータでは、14万5,000人となっています。
間近の1週間で1日に1,800〜2,500人ずつ増加しています。
12月20日現在では19万6,608人です。症状があっても医療機関を受診しない人などがいるため、すべての感染者を表した数字ではありません。
高齢者は重症化しやすく若者は低い傾向
新型コロナウイルス感染症の診断を受けた人のうち、重症化する人や死亡する人の割合は年齢によって違います。
若者はほとんど軽症で、高齢になるほど重症化しやすいと考えられています。ここでの重症化とは、集中治療室での治療や人工呼吸器による治療を行ったケースや死亡したケースの割合を示しています。
重症化する人の割合は約1.6%です。50歳代以下では0.3%、60歳代以上では8.5%です。死亡する人の割合は、約1%です。50歳代以下では0.06%、60歳代以上では5.7%です。
年代 | 重症化(1.6%) | 死亡(1.0%) |
50歳代以下 | 0.3% | 0.06% |
60歳代 | 8.5% | 5.7% |
高齢者と基礎疾患を持っている人は重症化しやすい
新型コロナウイルス感染症の診断を受けた人のうち、重症化するリスクがある人は高齢者と基礎疾患を持っている人です。
基礎疾患の中でも慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満(BMI30以上)のリスクが高いとされています。妊婦さんや喫煙者は、重症化しやすいかどうかが明らかではありませんが、注意が必要です。
年齢による重症化率は、30歳代を1とした場合、40歳代は4倍、50歳代は10倍、60歳代は25倍、70歳代は47倍、80歳代は71倍と考えられています。
年代 | 10歳未満 | 10歳代 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | 80歳代 | 90歳代以上 |
重症化 | 0.5倍 | 0.2倍 | 0.3倍 | 1倍 | 4倍 | 10倍 | 25倍 | 47倍 | 71倍 | 78倍 |
日本の人口あたりの感染者・死者は全世界の平均よりも少ない
日本の人口当たりの新型ウイルス感染症の感染者や死亡者は世界の平均よりも少ないです。
しかし、2020年12月現在、感染者や重症者が増加している状況で、医療機関は逼迫し医療崩壊が懸念されています。
日本医師会や日本看護協会など医療関係9団体は、このままでは全国の必要な全ての医療提供がたちゆかなくなるとして、12月21日医療の緊急事態宣言を出しました。
発症の2日前〜発症後7日から10日間程度は他人に感染させてしまう可能性がある
新型コロナウイルス感染症発症の直前直後は特にウイルスの排出量が高いといわれています。
そのため、新型コロナウイルス感染症と診断を受けた人は、無症状でも不要・不急の外出を控えるようにする必要があります。
■参考
・厚生労働省 「(2020年10月時点)新型コロナウイルス感染症 の“いま” についての 10 の知識」
・厚生労働省 「確定患者数(報告日ベース)の推移(都道府県別・各日)(12月21日更新)」
画像提供:PIXTA
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