在宅ワークによる健康への影響と対策①
パート1
現在も在宅ワークを続けている人や、在宅ワークの日が設けられた人もいるでしょう。今回は、今後も続くと思われる在宅ワークの健康への影響とその対策を2回にわたって紹介します。
パート1として、運動不足やストレス・うつに関すること、パート2は生活習慣の変化、腰痛・肩こり、目の疲れ、血栓についてお話します。ここで紹介する対策を参考に、健康への悪影響をできるだけ軽減できるように工夫してください。
運動不足
「在宅ワークが始まった」または「在宅ワークの日が増えた」という方は、通勤による徒歩の時間や全体的な運動量が減っています。また、これまでは通っていたジムにも積極的に通うこともやめておこうと思っている人もいるのではないでしょうか。
在宅ワークによって日々の活動量が低下してしまうため、運動不足による弊害が起こりやすくなります。例えば、筋力の低下、食欲低下などです。適度な活動は心のバランスを保つためにも大切です。
対策としては、適度な運動をすることをおすすめします。海外のある研究では、ジョギングは10m、ウォーキングは5mの間隔をあけるように奨励されています(参考文献1)。十分なソーシャルディスタンスを保ちながら行いましょう。
対策
●仕事を始める前にラジオ体操など自宅でもできる運動を行う
●デスクワークをしながら、足の曲げ伸ばしなど足を動かす
●3つの密を避けてウォーキングやジョギングをする
ストレス・うつ病
ストレス
在宅ワークでテレビ電話やWeb上の会議が行われたとしても実際の対面ではないため、ちょっとした感情や表情の読みづらさ、ネットワーク回線による音声のズレなどによるコミュニケーションから生じる問題があります。
また、メールやチャットでのやり取りも増えることから、文字だけのコミュニケーションによるストレスもあることでしょう。友達ではなく仕事で行う文字のやり取りは気を遣うものです。
また、子どもの世話をしながら仕事に集中することは困難なため、ストレスを感じることがあります。パートナーが子どもの世話を行っている場合でも、子どもの声や行動によって仕事を中断したり集中できなかったりします。
操作に慣れないツールやシステムの使用などもストレスの原因となるでしょう。在宅ワークの環境を調整し難い場合は、不適切な騒音が気になり、気温・湿度も会社にいるときのようにはいかないこともあります。
一人暮らしで在宅ワークを行っている場合は、孤立感が強まります。テレビ電話などの会議で、同僚や上司との会話や関わりがあったとしても、普段出勤しているときに比べてその頻度は確実に減ります。
うつ病
うつ病は、身体的、精神的ストレスが重なることなど様々な要因が考えられます。人とのコミュニケーションが少ない上に、ストレスを感じやすい環境で過ごすことが多い場合、うつ病のリスクが高まります。
「食欲がない」「眠れない」「気分が落ち込む」「何をしていても楽しくない、興味がわかない」などが続いている場合は、うつ病の可能性も考えられます。早めに専門機関を受診しましょう。
対策
●ランチタイムには、雑談ができるようにオンラインで同僚などとつながるようにする
●家族や友人、同僚、上司などと近況を情報交換するなど、コミュニケーションをとる
●子どもがいる場合は、時間を決めて動画を見せる、お絵かきなど静かに遊べることを工夫する
●可能な限りパートナーと分担して子どもの世話などをする
●趣味など自分がリフレッシュできることを取り入れる
●辛い倍は、ストレスや心の問題の相談窓口を利用する
※参考サイト
産業医科大学
■新型コロナウイルス流行に伴い急遽はじまったテレワークの健康影響
厚生労働省
画像提供:PIXTA
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