学校での新型コロナウイルス感染症の予防対策②
パート②
今回は文部科学省の持続的な学校運営のためのガイドラインに基づいて、今後、学校がどのような対策をとるべきか具体的項目に関するマニュアルを分かりやすくご説明します。
それぞれの学校でマニュアルに沿った対策がとられますが、学校内での感染拡大を防ぐためには、ウイルスを持ち込まないことが重要です。お子さんの安全のためにも、各家庭で「新しい生活様式」を実践しつつ、学校と連携をとりながら協力していきましょう。
具体的な活動場面の危険
学校の活動では、3つの密が起こりやすい活動や場面があります。ここでは、具体的な活動に関する学校側に求められる基本的な対策について紹介します。
特に感染のリスクが高い活動
地域によって、「特に感染のリスクが高い活動」は行わないなど、実施の是非を検討します。
・各教科等に共通する活動として「児童や生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワーク」や「近距離で一斉に大きな声で話す活動」
・音楽の授業での「室内で児童生徒が近距離で行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏」
・家庭・技術科の授業での「児童生徒同士が近距離で活動する調理実習」
・体育・保健体育の授業での「児童生徒が密集する運動」や「近距離で組み合ったり接触したりする運動」
比較的感染リスクが低い活動
地域によって、感染防止対策を十分に取って活動を行うなど検討します。
・理科の授業での「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」
・図画工作、美術、工芸の授業での「児童生徒同士が近距離で活動する共同制作等の表現や鑑賞の活動」
注意が必要な活動や場所
部活動や給食などは、地域の感染状況によって対応が違います。
①部活動
少人数で行う場合は、十分な距離を空けて活動しましょう。
密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動、向かい合って発声したりする活動は行わない、または慎重に検討する必要があります。
②図書室
児童や生徒の利用時間を分散させる工夫が必要です。
③給食
マスクを外して食べるため、感染のリスクがあります。
対面で食べることを避けるなどの工夫が必要です。
④職員室
教職員も感染予防や3つの密を避けるように注意が必要です。
⑤校門付近
登下校時は、廊下や校門付近で密集が予測されるため、登下校の時間の分散が必要なこともあります。
また、教職員の目が行き届かないため、気が緩んで距離が近くなったりマスクを外したりする可能性があるため注意が必要です。
⑥スクールバスや公共交通機関など
定期的な換気やマスクの着用、咳エチケットを徹底しましょう。
席が近くなる場合、会話を避けるなどの工夫が必要です。
感染が確認されたら
感染が確認された場合は、通常、本人や保護者から学校に感染が判明したことを報告します。
医療機関から保健所に届け出がなされ、感染者本人への行動履歴の聞き取りが行われます。
感染者や濃厚接触者などの出席停止や校舎内の消毒などの対処も実施されます。
〈感染の報告〉
医療機関→本人や保護者へ報告→学校へ報告→文部科学省へ報告
〈行動履歴のヒアリング〉
医療機関→保健所へ届け出→(保健所が)本人へ聞き取り→(保健所が)学校へ濃厚接触者の把握調査
まだ窮屈な生活が続きますが、「感染しない、感染させない」ことを徹底して新しい生活様式を取り入れていききましょう。
【参考文献】
■文部科学省 「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~」
■厚生労働省 「国民の皆様へ(新型コロナウイルス感染症)」
画像提供:PIXTA
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