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コロナ禍の最中でも受診すべき、ほかの病気④(不整脈)

第4回 (ドキドキする・息切れなど)不整脈

2020年5月27日|12,726 VIEW

コロナ禍の最中だからこそ、知っておきたい健康の基本情報をお届けします。

第4回は、心臓の拍動のリズムが不規則になる「不整脈」です。

不整脈のなかには、命に関わる危険な病気もあります。心臓が気になる人は、日頃から自分で脈を測って、脈拍をチェックしましょう。

不整脈は、どんな病気?

心臓は、心臓内の電気刺激によって拍動(心拍)が制御され、血液を一定のリズムで送り出しています。通常は、1分間に60〜80回の規則正しいリズムで拍動しています。不整脈は、その拍動のリズムが不規則になったり、極端に頻度が高かったり少なかったりする状態をいいます。

こんな症状を見逃さないで。

不整脈の症状にはいろいろあります。例えば、「息切れするのは年齢のせい」だと思っていたら、「実は不整脈だった」ということもあります。下記のような自覚症状があれば、まずは近隣の診療所に相談しましょう。

〈不整脈の症状〉
●ドキドキする
●脈が飛ぶ
●息切れ
●胸が苦しい

一定の間、脈が速くなる「心房細動」、突然脈拍が速くなり、しばらく続いた後に突然止まる「発作性上室性頻拍」、心室を発生源とする「心室頻拍」などの不整脈では、ドキドキする、胸が苦しいなどの症状がよく見られます。

 

〈不整脈の症状〉
●めまい
●気を失う
●目の前が暗くなる

極端に脈が遅くなり、数秒以上心臓の拍動が途絶えると、脳への血流が低下します。そして、めまい、気を失う、目の前が暗くなる、といった症状が発生します。極端に脈が速くなるときも、同様の症状がでることがあります。

 

〈不整脈の症状〉
●息切れ
●むくみ

不整脈が長期間続くと、心臓の働きが悪くなることがあります。その場合には、息切れ、むくみといった、いわゆる心不全の症状が発生します。

 

 

危険な不整脈に、要注意。

ほとんどの不整脈は害がなく、治療する必要はありません。しかし、なかには危険な不整脈がありますので、注意が必要です。

突然死を引き起こすリスクのある「心室頻拍」と「心室細動」

心臓から全身に血液を送り出す心室(心臓の下側にある2つの部屋)を発生源とする「心室頻拍」や「心室細動」が起きると、血液を十分に送り出せなくなり、突然死を引き起こすことがあります。緊急の場合、直ちに電気ショックの治療を行い、心拍リズムを正常に戻さないと、命の危険があります。

脳梗塞の原因になる「心房細動」

心房細動は、心臓の拍動のリズムが乱れる不整脈です。心房が震えるように細かく動いて十分に拍動しなくなり、血液を全身へ効率よく送り出せなくなります。心房細動の怖いところは、脳の血管が詰まる「脳梗塞」の発症につながることです。心房細動は、脳梗塞の発生率を5倍程度高めるといわれています。

 

脳梗塞につながる「心房細動」が疑われたら…。

心房細動が疑われる場合、心電図検査や心臓超音波検査などが行われます。心電図検査は、心臓の筋肉に流れる電気刺激を感知して記録するもの。心房細動があると、拍動のリズムが不規則になります。
心臓超音波検査は心臓に周波数の高い超音波をあて、心臓の大きさ、形や動き、血液の流れなどを調べます。

 

心房細動を治療して、脳梗塞を防ぐ。

心房細動の主な治療法は、薬物療法とカテーテルアブレーションです。

薬物療法

血液をサラサラにして、血栓ができにくくする「抗凝固薬」、心臓の異常な電気刺激を抑えて、心房細動を起こりにくくする「抗不整脈薬」などを服用します。

カテーテルアブレーション

足の付け根などの太い血管から、カテーテルという細い管を挿入。心臓の内部に到達したら、心房細動の原因となっている部位を高周波電流で焼きます。カテーテルアブレーションは、心房細動以外の不整脈にも適応されます。

 

自分で脈を測る習慣を。

心房細動をはじめとする不整脈が気になる人は、自分で脈を測って心臓の状態をチェックするようにしましょう。

〈脈の測り方〉

親指側の手首を指で押さえます
人差し指と中指の先端を反対の手の親指側の手首に当てます。

脈を打つリズムを確認します
脈拍を触知できたら、脈拍が規則的か、抜けがないかをチェックします。

15秒間、脈を測ります
脈拍数が多すぎたり、少なすぎたりしないかを見るため、15秒間の脈拍数を数えましょう。それを4倍すると、1分間の脈拍数になります。

 

 

■出典:日本循環器学会「各疾患のご案内 不整脈」ほか

画像提供:PIXTA

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