濃厚接触者について理解を深め、安心して行動しよう
新型コロナウィルス感染症対策において、濃厚接触者という言葉をよく耳にすると思いますが、皆さん正確に理解できていますか。4月22日に国立感染症研究所から発表されている濃厚接触者の定義が変更されました。これを機会に、どのような行動が濃厚接触となるのか正しく理解し、今後の行動の参考にしてください。
新しい濃厚接触者の定義
濃厚接触者とは感染者と次のような関りがあった場合を指します。
①同居など長時間の接触がある
②防護服やマスクを着用せずに診察や接触をした医療者
③感染者の体液などに直接触れた可能性がある
④マスクをせずに約1mの距離で15分以上接触をした
今回変更されたのは④です。
これまでは「2m以内での接触」とされていたのですが、距離が短くなり、具体的な接触時間が追加されました。
もうひとつ大きな変更がありました。
濃厚接触になるのは感染者が「発症した日」からでしたが、「発症の2日前」になっています。
濃厚接触の重要な要素
今回の定義の変更は、国内の感染状況や疫学検査の結果、海外からの情報、WHOのガイダンスを参考にしています。
感染しやすい状況は少しずつ明らかになってきており、特に重要需要な要素として、時間と距離が挙げられています。近い距離で一定時間以上会話が続く状態、多くの人と会話がなされる状態が感染を拡大させる環境です。
濃厚接触感染者になったら
もし濃厚接触者と言われたら、保健所等からの指示に従い、14日間の自宅待機、外出自粛、体温測定などの健康管理をおこないます。
また、同居人がいる場合は、なるべく接触する時間を減らす、ドアノブなど頻繁に触れるところの消毒、浴室やトイレの清掃と消毒、食器やタオル等の共有を避けるなどの対応が必要があります。
濃厚接触者の同居人には外出自粛の必要はありませんので、通常の感染予防対策をしながらの生活が可能です。
濃厚接触にならないために
日常生活の中で、どのような行動を心がけると濃厚接触を避けられるのでしょうか。具体的には次のようことが大切です。
①三密(密閉、密接、密集)を避ける
すべて揃っている環境を避けるのではなく、ひとつでも当てはまる場合は要注意です。
②人との距離を取る
隣の人と手を広げても届かない距離を保ちましょう。
③行動は個人か少人数で
外出時はなるべく一人ひとりか、最少人数で行動することが大切です。
④マスク着用
発症日の2日前に会った人も濃厚接触者となります。症状がなくても外出時はマスクを着用して、飛沫感染予防に徹しましょう。
ひとりひとりが冷静な行動を!
新しく発表された濃厚接触者の定義は、具体的な距離や時間が示され、今までのものよりもわかりやすくなっています。人との接触時間を可能な限り短くし、マスク着用、人との距離を取るという3つが、一人ひとりができる行動です。
敏感になり過ぎずに、濃厚接触にならないように冷静に過ごすようにしましょう。
出典:国立感染症研究所 極的疫学調査実施要領における濃厚接触者の定義変更等に関するQ&A(2020年4月22日)
画像提供:PIXTA
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