症状が出てからでは遅い?大腸がん検診で早期発見を
コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:大腸がん
大腸(盲腸・結腸・直腸)にできる大腸がんは、いくつかの種類があります。また、良性のポリープががん化する場合と、正常な粘膜から直接発生する場合があります。早期に発見できれば治る確率も高いがんですから、40歳を過ぎたら毎年大腸がん検診を受けましょう。
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直腸がんとS状結腸がんが多い
食べ物を消化・吸収する最終段階にある大腸は、右の下腹部からぐるりと大きく時計回りに、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸、そして肛門へとつながります。大腸に入った食べ物の残りがここを通過する間に水分が吸収され、だんだんと固形の便になっていきます。
この大腸のどこにできるかによって、大腸がんにはいくつか種類があり、中でも日本人に多いのが直腸がんとS状結腸がんです。この2つは、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸に比べて便が停滞しやすいため、発がん物質が接触しやすいことがその理由ではないかといわれています。ただし、単純に便秘の人が大腸がんになりやすいわけではありません。粘液の状態や腸内細菌など、さまざまな要因が複雑に影響して大腸がんが発生します。
大腸がんは進行しても症状が出にくい
ポリープや早期がんの段階で見つけて治療ができれば、完治することも可能ですが、早い段階では症状がありません。
また、直腸がんやS状結腸がんの場合は、血便や便通異常などの症状で見つかることもありますが、特に上行結腸など右側の腸は腸管も太く、便もやわらかい状態のため、出血があっても便と混じってしまい、症状としては出にくいのです。
ですから、貧血だと思っていたらじわじわ出血していた、あるいは腸閉塞になって初めて気づかれるなど、発見が遅れがちになってしまいます。
日本人で最も多いがんでありながら、進行がんになってから見つかり「早く検査しておけばよかった」と後悔する人がまだたくさんいるのが現実です。進行がんになる前には、必ずポリープや早期がんの段階があり、見つけるチャンスがあるはずですから、40歳を過ぎたら年に1回の大腸がん検診を毎年必ず受けることが大切です。
進行度や全身状態に応じて適する治療を選ぶ
早期であれば、内視鏡により切除できる場合が多く、進行すると腹腔鏡手術か開腹手術となります。がんの進行度や全身状態など、それぞれのケースごとに適する治療を主治医と相談します。
状態によっては、放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせたり、人工肛門が必要になる場合もあります。
リスクを下げながら早期発見に努めよう
大腸がんの発生には遺伝的要因と生活習慣などの後天的要因が複合していますが、生活習慣の中では食生活との関わりも指摘されています。食物繊維不足・高脂肪の食事や過度な飲酒、喫煙は発症リスクを高めるといわれていますので、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、禁煙、適量飲酒などを心がけましょう。そのうえで定期的な検診を受け、小さな異常を早く見つけるように努めましょう。
がんの原因は一つではなく、さまざまな要因が絡み合って発症します。ライフスタイルの改善は長期戦ですから、リスクを下げながら、並行してがん検診を毎年受けることが大切です。
参考文献
■国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
■日本医師会「知っておきたいがん検診」
画像提供:PIXTA
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